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BizTalk Server メッセージング エンジン

BizTalk Server メッセージング エンジンを使用すると、ユーザーは次の 2 つの主要な機能を提供することで、複数のアプリケーションにまたがるビジネス プロセスを作成できます。

  • ビジネス プロセスを実行するロジックを指定および実装する方法

  • ビジネス プロセスによって使用されるアプリケーション間の通信メカニズム

    これらの機能を実現する、エンジンの主要なコンポーネントを次に示します。

    この 2 つの問題に対処するエンジンのメインコンポーネントを示す画像。

    図に示すように、メッセージは受信アダプターを介して 受信されます。 アダプターによって通信メカニズムが異なるので、Web サービスへのアクセス、ファイルからの読み取り、またはその他の方法によって、メッセージが取得されます。 その後、メッセージは 受信パイプラインを介して処理されます。 このパイプラインにはさまざまなコンポーネントが含まれ、メッセージをネイティブ形式から XML ドキュメントに変換したり、メッセージのデジタル署名を検証するなどの処理が行われます。 その後、メッセージは、Microsoft SQL Serverを使用して実装される MessageBox というデータベースに配信されます。

    ビジネス プロセスを駆動するロジックは 1 つ以上の オーケストレーションとして実装され、それぞれが実行可能コードで構成されます。 C# などの言語でコードを記述して作成するのではなく、 ビジネス アナリスト、または多くの場合は開発者が、適切なツールを使用して定義済みの図形のグループをグラフィカルに体系化し、条件、ループ、およびその他の動作を指定することで作成します。 オーケストレーションでは、必要に応じて ビジネス ルール エンジンを使用できます。これにより、ビジネス プロセスで複雑なルール セットを表現するための、より簡単で簡単に変更できる方法が提供されます。

    各オーケストレーションは 受信するメッセージの種類を示すサブスクリプションを作成します。 メッセージ ボックスに配信されたメッセージは、適切なオーケストレーションに送信され、送信先のオーケストレーションでは、ビジネス プロセスに必要とされる操作が行われます。 この処理の結果は通常、オーケストレーションで別のメッセージとして生成され、メッセージ ボックスに保存されます。 このメッセージは、送信パイプラインによって処理され、BizTalk Serverで使用される内部 XML 形式から宛先に必要な形式に変換したり、デジタル署名を追加したりできます。 その後、メッセージは 送信アダプターを使用して送信されます。このアダプターは、適切なメカニズムを使用して、このメッセージの宛先であるアプリケーションと通信します。

    BizTalk Server エンジン上に構築された完全なソリューションには、オーケストレーション、パイプライン、メッセージ スキーマなど、さまざまな部分 (成果物と呼ばれることもあります) を含めることができます。 これらのパーツ (成果物) は、 BizTalk アプリケーションと呼ばれる 1 つのユニットとして使用できます。 BizTalk アプリケーションは、ソリューションに必要なすべての要素を 1 つの論理単位にまとめ、管理および展開の基礎として抽象化したものです。

    BizTalk Server エンジンを使用して、さまざまな種類のユーザーが異なる機能を実行します。 たとえば、 ビジネス アナリストは、ビジネス プロセスを構成するルールと動作を定義する場合があります。 ビジネス プロセスのフローを決定して、各アプリケーションに送信する情報や、ビジネス ドキュメント間のマッピング方法を定義することができます。 ビジネス アナリストがこのプロセスを定義した後、 開発者 はそれを実装する BizTalk アプリケーションを作成できます。 この作業には、使用するビジネス ドキュメント用の XML スキーマの定義、ビジネス ドキュメント間の詳細なマッピングの指定、ビジネス プロセスを実装するために必要なオーケストレーションの作成などが含まれます。 また 、パーツ 間の通信を設定し、適切にスケーラブルな方法で BizTalk アプリケーションを展開し、その他のタスクを実行することで、管理者も重要な役割を果たします。 ビジネス アナリスト、開発者、管理者の 3 つのロールはすべて、BizTalk Server ソリューションを作成して維持するために必要です。

このセクションの内容

参照

BizTalk Server のアーキテクチャ
ランタイム アーキテクチャ