Power BI スコアカードの階層の概要
適用対象: Power BI Desktop Power BI サービス
メトリックでは、スコアカードで設定した階層に沿ってロールアップされる、カスケード スコアカードがサポートされています。 スコアカードの階層を設定し、メトリックによって参照される Power BI セマンティック モデルを階層レベルと所有者フィールドにマップし、データのスライスごとに新しいスコアカード ビューを自動的に作成することができます。 数回クリックするだけで、数千ものスコアカード ビューを自動的に作成できる可能性があります。 Power BI では、接続されたメトリック値が階層の各レベルにカスケードされます。 ユーザーは簡単に階層を掘り下げ、進行状況や状態を確認し、さまざまなレベルでチェックインを行うことができます。 次の図では、スライサーにプロジェクト階層のさまざまなレベルが表示され、階層の各レベルまたはサブレベルに移動すると、メトリック値、状態、所有者、進行状況がそれに伴って変化することがわかります。
このスコアカードは階層で設定され、フィルターは開かれて階層スライサーが表示されています。
次の図では、フィルターが開かれ、階層スライサーとスコアカードに適用されたフィルターが表示されています。
階層を作成するための要件
階層スコアカードを設定するための要件を次に示します。
- 階層には、Premium または Premium Per User ワークスペースが必要です。
- スコアカードに対する編集アクセス許可が必要です。
- スコアカードには、接続されたメトリックが少なくとも 1 つ必要です。
- スコアカード内の接続されているセマンティック モデルに対する構築アクセス権が必要です。
階層を設定する
スコアカード編集モードで、[新規] メニューから [階層の設定] を選択します。
[すべて] スライサーから [階層の管理] を選択することもできます。
階層レベルをデータにマップする
階層の設定を開始するには、階層に名前を付け、レベルを構築して、スコアカード内の接続されたセマンティック モデルにマップします。 複数の階層を構築して、データのスライス間の横断面を表示できます。たとえば、地域と製品の階層がある場合は、スライサーを使って、"ドイツのノート PC" や "ワシントン州シアトルのスマート デバイス" によるメトリックを示すスコアカードを表示できます。
セットアップ エクスペリエンスにおいては、スコアカード内のメトリックに接続されているすべてのセマンティック モデルが表示されます。
基になるセマンティック モデル内のデータを階層レベルにマップします。 マッピングに取り込みたくないフィールドがある場合は、フィールド リストのチェックボックスを使ってそれらの選択を解除できます。
セマンティック モデルを各階層レベルの対応するデータにマップすると、右側のペインにプレビューが表示され、作業内容が正しいことを再確認できます。
右上には関連するメトリックを表示するオプションもあり、スコアカードのメトリックの概要、データに接続されている値、それらの取得元のセマンティック モデルが表示されます。
所有者をマップする
[所有者の割り当て] セクションで所有者をマップして、データの各スライスによって所有者列が動的に変更されるようにすることができます。 所有者は階層ごとにマップされるため、所有者のマップが正しく機能するには、所有者フィールドと基になるセマンティック モデルの階層データの間にリレーションシップが必要です。 所有者のマップは、メトリックごとではなく階層レベルごとに適用されます。
階層を保存し、すべての接続された値と所有者が動的に変化することを確認します。 階層では、手動メトリック (データに接続されていないメトリック) もサポートされています。手動メトリックは子スコアカードに表示されますが、手動の値は空白として表示されます。 これらは、子スコアカード ビューでチェックインおよび更新できます。
元のスコアカードから継承されるその他のメトリック データ:
- メトリック メタデータ: 名前、所有者、状態、開始日と期限
- [データ接続]
- 状態規則
- 追跡の設定
子スコアカードで編集できるメトリック データ:
- チェックイン データ: メモ、状態 (該当する場合)、値 (該当する場合)。
階層のセットアップに関する考慮事項
階層にはデータ制限があります。
- 階層あたり最大 10,000 個の項目 (すべてのセマンティック モデル間で)
- 最大 5 つの階層
- 階層ごとに最大 5 つのレベル
動的および静的行レベル セキュリティ (RLS) はサポートされていますが、階層作成者を介してルーティングされます。 すべてのスコアカード閲覧者が階層作成者のアクセス権を借用します。
スコアカードへの編集アクセス権を持つ他のユーザーは階層を編集できますが、保存時に階層の接続と、すべてのデータを引き継ぎます。 接続は各自の UserID を介してルーティングされるため、異なるデータ値や破損したメトリックが発生するおそれがあります。
Power BI 階層の再利用はまだサポートされていません。 各スコアカードで階層を作成する必要があります。
階層に適切な変更を反映させるには、基になるデータの階層フィールド間にリレーションシップを確立している必要があります。 これは所有者についても当てはまります。
階層はスコアカード セマンティック モデルには含まれません。
階層内でマップされた所有者が、スコアカードに対するアクセス許可を自動的に受け取ることはありません。
所有者は、メトリックごとではなく階層レベルごとに適用されます。
ロールアップは、子スコアカードではまだサポートされていません。