方法 : Windows Communication Foundation セキュリティ イベントを監査する
Windows Communication Foundation (WCF) にはセキュリティ イベントを Windows イベント ログに記録する機能があります。これは Windows イベント ビューアに表示できます。このトピックでは、セキュリティ イベントをログ出力するようにアプリケーションを設定する方法について説明します。WCF 監査機能詳細については、 、「セキュリティ イベントの監査」を参照してください。
セキュリティ イベントを監査するコードを記述するには
監査ログの場所を指定します。それには、次のコードに示すように、ServiceSecurityAuditBehavior クラスの AuditLogLocation プロパティに AuditLogLocation 列挙体のいずれかの値を設定します。
AuditLogLocation 列挙体には Application、Security、および Default の 3 つの値が定義されています。これは、イベント ビューアを開いたとき、セキュリティ ログとアプリケーション ログのどちらが表示されるかを表します。Default を指定した場合の動作は、アプリケーションが稼働するオペレーティング システムに依存します。ログの場所を指定せずに監査機能を有効にした場合、セキュリティ ログに書き込み可能なプラットフォームであれば Security ログに、そうでなければ Application ログに出力するようになります。セキュリティ ログへの書き込みが可能なのは、Windows Server 2003 と Windows Vista に限ります。
イベントの種類を監査対象として設定します。サービス レベルのイベントとメッセージ レベルの承認イベントを同時に監査できます。それには、次のコードに示すように、ServiceAuthorizationAuditLevel プロパティまたは MessageAuthenticationAuditLevel プロパティに AuditLevel 列挙体のいずれかの値を設定します。
ログ監査イベントに関して、単に無視してアプリケーションの処理を続行するか、それとも失敗を通知するかを設定します。次のコードに示すように、SuppressAuditFailure プロパティに true または false を設定します。
SuppressAuditFailure プロパティの既定値は true なので、監査に失敗してもアプリケーションには影響しません。設定しないと、例外がスローされます。正常な監査に関するログは、Verbose レベルで出力されます。異常発生時には、Error レベルでトレースが出力されます。
既存の ServiceSecurityAuditBehavior を、ServiceHost の説明にある動作のコレクションから削除します。動作のコレクションは、Behaviors プロパティからアクセスできます。また、Description プロパティからもアクセスできます。その後、次のコードに示すように、新しい ServiceSecurityAuditBehavior を同じコレクションに追加します。
構成ファイルで監査を設定するには
構成ファイルで監査を設定するには、web.config ファイルの Behaviors element セクションに <behavior> 要素を追加します。その後、次の例に示すように、serviceSecurityAudit 要素を追加し、必要な属性を設定します。
<behaviors> <behavior name="myAuditBehavior"> <serviceSecurityAudit auditLogLocation="Application" suppressAuditFailure="false" serviceAuthorizationAuditLevel="None" messageAuthenticationAuditLevel="SuccessOrFailure" /> </behavior> </behaviors>
次の例に示すように、サービスに対して動作を指定する必要があります。
<services> <service type="WCS.Samples.Service.Echo" behaviorConfiguration=" myAuditBehavior"> <endpoint address="" binding="wsHttpBinding" bindingConfiguration="CertificateDefault" contract="WCS.Samples.Service.IEcho" /> </service> </services>
例
ServiceHost クラスのインスタンスを作成し、新しい ServiceSecurityAuditBehavior をその動作のコレクションに追加するコード例を次に示します。
セキュリティ
SuppressAuditFailure プロパティを true に設定すると、セキュリティ監査を生成する失敗が抑制されます (false に設定した場合は、例外がスローされます)。ただし、次の Windows の "ローカル セキュリティ設定" プロパティを有効にした場合、監査イベントを生成する失敗により Windows が直ちにシャットダウンします。
監査 : セキュリティ監査を記録できない場合システムを直ちにシャット ダウンします。
プロパティを設定するには、[ローカル セキュリティ 設定] ダイアログ ボックスを開きます。[セキュリティの設定] の [ローカル ポリシー] フォルダをクリックします。次に、[セキュリティ オプション] をクリックします。
AuditLogLocation プロパティが Security に設定されている場合で、[オブジェクト アクセスの監査] が [ローカル セキュリティ ポリシー] で設定されていないときは、監査イベントはセキュリティ ログに書き込まれません。エラーが返らない場合でも、監査エントリはセキュリティ ログに書き込まれません。
関連項目
リファレンス
AuditLogLocation
ServiceSecurityAuditBehavior
AuditLogLocation