元のドキュメントと変換されたドキュメントの間のリレーションシップ

最終更新日: 2010年3月8日

適用対象: SharePoint Server 2010

Microsoft SharePoint Server 2010 では、ドキュメント ライブラリのメタデータを使用して、どのドキュメントが他のドキュメントの実際に変換されたコピーであるかが追跡されます。SharePoint Server 2010 では、ドキュメント ライブラリ内で変換コピーごとに、次の 2 つのフィールドに追加情報が保存されます。

• ParentID   変換コピーが基づいている元のファイルの名前を表す文字列。

• ParentVersionID   変換コピーが基づいている元のファイルのバージョン番号を表す整数。

元のファイルは、どのような場合も変更されず、そのファイルから生成された変換コピーへの参照は含まれません。

これらの 2 つの列により、SharePoint Server 2010 はライブラリ内のどのドキュメントが実際に変換されたコピーであるか、また特定の変換コピーが生成されたドキュメントを特定できます。たとえば、SharePoint Server 2010 ユーザー インターフェイスのドキュメントの設定ページでは、この情報を使用して元のファイルの利用可能な変換コピーが一覧表示されます。

ユーザーもこの情報を使用できます。たとえば、ドキュメント ライブラリに含まれている変換コピーを抽出するビューを作成できます。

元のファイルと変換コピーの間のリレーションシップが維持されるのは、元のファイルとコピーの両方が同じドキュメント ライブラリ内にある場合に限られます。これは一方向のリレーションシップです。つまり、SharePoint Server 2010 では、元のドキュメントを参照する変換コピーの情報は保存されますが、元のドキュメントから変換コピーへの参照は保存されません。

ドキュメントの変換後にファイルを変更する

以降の節で説明するように、元のドキュメントまたは変換コピーに変更を加えると、ファイル間のリレーションシップに影響する場合があります。

ファイルを移動する

元のドキュメントと変換コピーの間のリレーションシップは、両方のファイルが同じドキュメント ライブラリ内にある限り、そのまま保持されます。

元のファイルをドキュメント ライブラリから移動した場合、変換コピーは現在の場所に残ります。ただし、変換コピーの元のファイルへの参照が有効ではなくなるので、リレーションシップは切断されます。

同様に、変換ファイルをドキュメント ライブラリから移動した場合、元のファイルは現在の場所に残ります。ただし、変換コピーの元のファイルへの参照が有効ではなくなるので、この場合もリレーションシップは切断されます。

ファイルを削除する

元のファイルを削除する場合、変換コピーは現在の場所に残ります。ただし、変換コピーの元のファイルへの参照が有効ではなくなるので、リレーションシップは切断されます。

変換コピーを削除する場合、元のファイルは現在の場所に残ります。元のファイルでは変換コピーへの参照は保持されません。元のファイルから生成された他の変換コピーは影響を受けず、元のファイルへの参照は保持されます。

ファイルをコピーする

元のファイルのコピーを作成する場合、そのコピーは、元のファイルから変換されたコピーとのリレーションシップが設定されません。変換コピーの参照は、元のファイルから作成された新しいコピーではなく、元のファイルを指したままになります。

変換ファイルのコピーを作成した場合、新しいコピーでは元のファイルへの参照は保持されません。

ファイルの名前を変更する

元のファイルの名前を変更する場合、変換コピーは元の名前のままです。

変換コピーの名前を変更する場合、元のファイルは元の名前のままです。変換コピーの名前を変更しても、元のファイルへの参照は保持されます。

ファイルのバージョンを管理する

元のファイルの新しいバージョンを作成する場合、変換コピーでは元のバージョン番号が維持され、生成元のファイル バージョンへの参照が保持されます。これにはメジャー バージョンとマイナー バージョンの管理が含まれます。

変換ファイルの新しいバージョンを作成する場合、元のファイルは影響を受けません。変換ファイルの新しいバージョンでは、元のファイルへの参照は保持されません。

次の図は、ドキュメントに変更を加えることによって元のファイルと変換コピーとの間のリレーションシップがどのような影響を受けるかを示しています。

関連項目

概念

ドキュメント コンバータの概要

ドキュメント コンバータ

変換されたドキュメント