読み取り専用データベースを使用するファームを実行する (Office SharePoint Server)
ここでは、コンテンツ データベースが読み取り専用に設定されている Microsoft Office SharePoint Server 2007 ファーム (読み取り専用ファーム) を実行する方法について説明します。読み取り専用ファームは、ミラー化またはログ配布されたコンテンツ データベースに対して実行する障害復旧環境の一部として構成できます。または、別のバージョンのファームが更新されている間にユーザー アクセスを提供する保守用または修正用の高可用性環境の一部として構成することもできます。
注意
読み取り専用ファームでは、コンテンツ データベースのみが読み取り専用になります。構成データベース、サーバーの全体管理コンテンツ データベース、検索データベースを含む他のすべてのデータベースは編集できます。
読み取り専用データベースを使用するファームを実行するには、最初にコンテンツ データベースが読み取り専用であることを確認してから、コンテンツ データベースへの書き込みを行うタイマ ジョブを無効にします。また、読み取り専用コンテンツ データベースを使用するファーム内の変更について、ユーザーに通知することもできます。
読み取り専用コンテンツ データベースを使用するファームを実行するには
SQL Server のログ配布を環境内で使用する場合は、セカンダリ サーバー上のコンテンツ データベースを読み取り専用に設定できます。ログ配布の使用方法については、「高可用性を構成する (Office SharePoint Server)」を参照してください。ミラーリングを使用する場合、クライアントはミラー データベースにアクセスできません。ただし、ミラー データベースにデータベース スナップショットを作成すれば、データベースを間接的に使用できます。データベース スナップショットを使用すれば、クライアントは、スナップショットの作成時点に存在していたデータベース内のデータに読み取り専用でアクセスできます。データベース ミラーリングの詳細については、「データベース スナップショット」を参照してください。
その他のシナリオの場合は、次の手順に従って SQL Server Management Studio を使用し、編集可能なコンテンツ データベースを読み取り専用に設定できます。また、Transact-SQL の ALTER DATABASE ステートメントを使用して、コンテンツ データベースを読み取り専用に設定することもできます。詳細については、「ALTER DATABASE (Transact-SQL)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=148619) を参照してください。
重要
この手順を実行するには、各データベースの db_owner 固定データベース ロールのメンバである必要があります。
ログ配布またはミラー化されたデータベース上ではこの手順を実行しないでください。
コンテンツ データベースを読み取り専用に設定する
SQL Server Management Studio を開きます。
読み取り専用に変更するコンテンツ データベースを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[オプション] ページを選択し、[その他のオプション] の一覧の [状態] セクションまでスクロールします。
[読み取り専用データベース] エントリで、[False] の横にある矢印をクリックして [True] を選択し、[OK] をクリックします。
他のすべてのコンテンツ データベースに対して、この手順を繰り返します。
注意
SQL Server Management Studio または Transact-SQL を使用してデータベースが読み取り専用に設定されると、読み取り専用フラグを設定している接続を除くすべての接続が停止されます。データベースが読み取り/書き込みに切り替わった後で、他の接続が有効になります。
タイマ ジョブの中には、読み取り専用コンテンツ データベースを実行しているファームで正しく機能しないものがあります。ファームを読み取り専用として構成した後で、統合ログ サービス (ULS) ログを確認してください。タイマ ジョブを完了できない状態が続く場合は、そのジョブを無効にして、ファーム内のログのサイズがあまり大きくならないようにする必要がある可能性があります。次の手順に示すタイマ ジョブは正しく機能しません。これ以外にも、正しく機能しないジョブが存在する可能性があります。
重要
この手順を実行するには、Farm Administrators SharePoint グループのメンバである必要があります。
タイマ ジョブを無効にする
SharePoint サーバーの全体管理で、[サーバー構成の管理] タブをクリックします。
[グローバル構成] セクションで、[タイマ ジョブの定義] をクリックします。
次に示す各タイマ ジョブについて、一覧で該当するジョブをクリックして [無効] をクリックし、[OK] をクリックします。
ワークフロー タスクの一括処理
ログの変更
データベースの統計
休止サイトの削除
ディスク クォータの警告
有効期限ポリシー
処理およびレポートの保留
即時の通知
情報管理ポリシー
プロファイルの同期
プロファイルの簡易同期
レコード センタの処理
ごみ箱
承認スケジュール
ページ レビューのスケジュール
発行取り消しスケジュール
検索と処理
共有サービス プロバイダ同期ジョブ
サイト コレクション: 削除
利用状況分析
バリエーション ページ伝達ジョブの定義
バリエーション サイト伝達ジョブの定義
Windows SharePoint Services Watson ポリシーの更新
ワークフロー
ワークフローの自動クリーンアップ
ワークフローのフェールオーバー
読み取り専用サイトでのユーザー エクスペリエンス
Office SharePoint Server 2007 SP2 を実行するファームでは、読み取り専用コンテンツ データベースに関連付けられたサイト コレクションも読み取り専用に設定されます。データベースへの書き込みが必要なタスクをユーザーが実行できないように、ユーザー インターフェイスが変更されます。次の表は、使用できないユーザー インターフェイス要素を示しています。
オブジェクト | 読み取り専用の場合に削除されるインターフェイス要素 |
---|---|
[サイトの操作] メニュー |
ページの作成 ページの編集 |
ドキュメント ライブラリ |
[新規] メニュー [アップロード] メニュー [設定] メニュー |
リスト |
[新規] メニュー [設定] メニュー |
サイトの情報およびサイトの設定 |
ユーザーの新規作成 サイト グループ メンバシップ 通知 カスタム テンプレートとして保存 グループの作成 |
読み取り専用データベースでは使用できないオプションの一部が、インターフェイスとして引き続き表示される場合があります。ユーザーがこれらのアクションを実行しようとすると、エラー メッセージが表示されます。次の表は、このようなアクションを示しています。
コンポーネントまたは領域 | 操作またはアクションの種類 | 動作またはエラー メッセージ |
---|---|---|
サイトの情報およびサイトの設定 |
[サイトのタイトルと説明の変更: "サイト名"] ページでサイトのタイトルまたは説明を変更しようとした場合 |
タイトルは変更されません。SharePoint の [アクセスが拒否されました] ページが表示されます。 |
サブ Web |
サブ Web を作成しようとした場合 |
SharePoint の [アクセスが拒否されました] ページが表示されます。 |
Office SharePoint Server 2007 SP2 ユーザーを実行していないファームでは、ユーザーが読み取り専用データベースに情報を書き込む操作を実行すると、エラー メッセージが表示されます。エラー メッセージの詳細については、サポート技術情報の記事 894631「Microsoft Windows SharePoint Services と Microsoft SQL Server で読み取り専用として構成されているコンテンツ データベースを使用」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=117362) を参照してください。