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テーブル値パラメーターの使用 (データベース エンジン)

テーブル値パラメーターは、ユーザー定義テーブル型を使用して宣言されます。 テーブル値パラメーターを使用すると、一時テーブルまたは多数のパラメーターを作成せずに、ストアド プロシージャや関数などの Transact-SQL ステートメントまたはルーチンに複数行のデータを送信できます。

テーブル値パラメーターは OLE DB や ODBC のパラメーター配列に似ていますが、より柔軟性が高く、Transact-SQL との統合も緊密です。 テーブル値パラメーターには、セットベースの操作に使用できるという利点もあります。

Transact-SQL では、入力データのコピーが作成されないようにするために、テーブル値パラメーターがルーチンに参照渡しされます。 テーブル値パラメーターを使用して Transact-SQL ルーチンを作成して実行し、Transact-SQL コード、任意のマネージド言語のマネージド クライアントとネイティブ クライアントから呼び出すことができます。

このトピックの内容

メリット

制限事項

テーブル値パラメーターと BULK INSERT 操作

メリット

テーブル値パラメーターの対象範囲は、ストアド プロシージャ、関数、または動的な Transact-SQL テキストで、他のパラメーターと同じです。 同様に、テーブル型の変数の対象範囲も、DECLARE ステートメントを使用して作成される他のローカル変数と同じです。 テーブル値変数は、動的な Transact-SQL ステートメント内で宣言でき、これらの変数をテーブル値パラメーターとしてストアド プロシージャおよび関数に渡すことができます。

テーブル値パラメーターは柔軟性が高く、一時テーブルやその他の方法でパラメーターの一覧を渡す場合よりもパフォーマンスが向上することもあります。 テーブル値パラメーターには、次の利点があります。

  • クライアントからのデータを最初に設定する際にロックを取得しません。

  • 単純なプログラミング モデルを提供します。

  • 複雑なビジネス ロジックを 1 つのルーチンに含めることができます。

  • サーバーへのラウンド トリップが減少します。

  • カーディナリティが異なるテーブル構造を含めることができます。

  • 厳密に型指定されます。

  • クライアントで並べ替え順序と一意キーを指定できます。

  • ストアド プロシージャで使用すると、一時テーブルのようにキャッシュされます。 SQL Server 2012 以降では、テーブル値パラメーターもパラメーター化されたクエリ用にキャッシュされます。

制限

テーブル値パラメーターには、次の制限があります。

  • SQL Server では、テーブル値パラメーターの列の統計は保持されません。

  • テーブル値パラメーターは、READONLY 入力パラメーターとして Transact-SQL ルーチンに渡す必要があります。 ルーチン本体でテーブル値パラメーターに対して UPDATE、DELETE、INSERT などの DML 操作を実行することはできません。

  • SELECT INTO または INSERT EXEC ステートメントの対象としてテーブル値パラメーターを使用することはできません。 テーブル値パラメーターは、SELECT INTO の FROM 句か、INSERT EXEC 文字列またはストアド プロシージャに含めることができます。

テーブル値パラメーターと BULK INSERT 操作

テーブル値パラメーターの使用はセットベースの変数を使用するその他の方法に似ていますが、多くの場合、大規模なデータセットを処理するときは、テーブル値パラメーターを使用する方が短時間で済みます。 テーブル値パラメーターよりもスタートアップ コストがかかる一括操作と比較すると、1,000 行未満の行を挿入する場合は、テーブル値パラメーターの方がパフォーマンスが高くなります。

再利用されるテーブル値パラメーターの場合、一時テーブル キャッシュを使用するとメリットがあります。 このテーブル キャッシュを使用すると、同等の BULK INSERT 操作よりもスケーラビリティが向上します。 少数の行の挿入操作では、BULK INSERT 操作またはテーブル値パラメーターではなく、パラメーター一覧またはバッチにまとめられたステートメントを使用すると、パフォーマンス上の利点が多少得られる場合があります。 ただし、これらの方法はプログラミングが容易ではなく、行が増えるとすぐにパフォーマンスが低下します。

テーブル値パラメーターは、同等のパラメーター配列の実装と同様またはそれ以上のパフォーマンスを実現します。

次の例では、Transact-SQL を使用し、テーブル値パラメーター型を作成し、それを参照する変数を宣言し、パラメーター リストに入力し、値をストアド プロシージャに渡す方法を示します。

USE AdventureWorks2012;  
GO  
  
/* Create a table type. */  
CREATE TYPE LocationTableType AS TABLE   
( LocationName VARCHAR(50)  
, CostRate INT );  
GO  
  
/* Create a procedure to receive data for the table-valued parameter. */  
CREATE PROCEDURE dbo. usp_InsertProductionLocation  
    @TVP LocationTableType READONLY  
    AS   
    SET NOCOUNT ON  
    INSERT INTO AdventureWorks2012.Production.Location  
           (Name  
           ,CostRate  
           ,Availability  
           ,ModifiedDate)  
        SELECT *, 0, GETDATE()  
        FROM  @TVP;  
        GO  
  
/* Declare a variable that references the type. */  
DECLARE @LocationTVP AS LocationTableType;  
  
/* Add data to the table variable. */  
INSERT INTO @LocationTVP (LocationName, CostRate)  
    SELECT Name, 0.00  
    FROM AdventureWorks2012.Person.StateProvince;  
  
/* Pass the table variable data to a stored procedure. */  
EXEC usp_InsertProductionLocation @LocationTVP;  
GO  

参照

CREATE TYPE (Transact-SQL)
DECLARE @local_variable (Transact-SQL)
sys.types (Transact-SQL)
sys.parameters (Transact-SQL)
sys.parameter_type_usages (Transact-SQL)
CREATE PROCEDURE (Transact-SQL)
CREATE FUNCTION (Transact-SQL)