ASTrac ユーティリティ サンプルの Readme
ASTrace ユーティリティを使用すると、Analysis Services トレースをキャプチャし、その内容を SQL Server テーブルに記録できます。このテーブルは、後でクエリを実行したり、SQL Server Profiler を使用して読み込むことができます。ASTrace ユーティリティは Windows サービスの 1 つとして実行され、Analysis Services に接続した後、トレースを作成し、SQL Server Profiler 形式を使用してトレース イベントを SQL Server テーブルに記録します。トレースの作成では標準的なトレース テンプレートが使用されるので、SQL Server Profiler を使ってオーサリングできます。
シナリオ
Analysis Services には、トレースを抽出し、それをファイルやテーブルに保存するためのツールは用意されていません。この ASTrace ユーティリティ サンプルでは、こうしたトレース機能の実装方法を示します。
言語
C#
必要条件
このサンプルを実行する前に、次のソフトウェアがインストールされていることを確認してください。
- Microsoft SQL Server 2005 (次のコンポーネントを含む)
- データベース エンジン
- Analysis Services
- SQL Server Management Studio
- Business Intelligence Development Studio
- データベース エンジン サンプル
- Microsoft.NET Framework SDK 2.0 または Visual Studio 2005
サンプルのビルド
オプション 1 : Visual Studio を使用してサンプルをビルドする
ソリューション ファイル ASTrace.sln が保存されているフォルダの場所を確認します。
このソリューション フォルダに、署名ファイル ASTrace.snk を移動します。
Visual Studio を開きます。
[最近使ったプロジェクト] タブの [開く] で [プロジェクト] をクリックします。
ソリューション ファイル ASTrace.sln を保存したフォルダを開き、ASTrace.sln ファイルを選択して [開く] をクリックします。
F6 キーを押して、プロジェクトをビルドします。
オプション 2 : .Net Framework SDK の msbuild.exe を使用してサンプルをビルドする
ソリューション ファイル ASTrace.sln が保存されているフォルダの場所を確認します。
このソリューション フォルダに、署名ファイル ASTracer.snk を移動します。
コマンド プロンプト ウィンドウを開き、ソリューション ファイルが保存されている場所にディレクトリを変更します。『.NET Framework 開発者ガイド』のトピック「方法 : コマンド プロンプトでコンパイルする」の説明に従って環境を構成します。
「msbuild.exe ASTrace.sln」と入力し、Enter キーを押します。
サンプルのインストール
ASTrace ユーティリティをサービスとしてインストールするには、次の手順に従います。
ステップ 1 : 実行可能ファイルをコピーする
このサービスをコンピュータ上のどのフォルダで実行するかを確認し、そのフォルダに次のファイルをコピーします。
- ASTrace.exe
- ASTrace.exe.config
- Standard.tdf
ステップ 2 : サービスを登録する
インストールされている Microsoft .NET Framework SDK 2.0 の InstallUtil.exe の場所を確認します。
コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。
現在のディレクトリを、前のステップで実行可能ファイルをコピーしたディレクトリに変更します。
InstallUtil.exe が保存されているフォルダをパスに追加します。
次のコマンドを実行して、サービスをインストールします。
InstallUtil.exe ASTrace.exe
[管理ツール] で [コンピュータの管理] を開き、[サービスとアプリケーション] を展開して [サービス] をクリックします。
右側のペインで [ASTrace Service] を探し、ダブルクリックします。[全般] タブの [実行ファイルのパス] に、ファイルをコピーした正しいパスが示されていることを確認します。これでサービスが登録され、コピーしたファイルが使用されるようになりました。
メモ : 次のステップで構成が終わるまで、サービスを開始しないでください。
ステップ 3 : サービスを構成する
メモ帳など、制御文字が追加されないテキスト エディタで ASTrace.exe.config ファイルを開きます。
次のフィールドに、それぞれの定義に従ってコンテンツを追加します。
- AnalysisServerName - トレースする Analysis Service インスタンスの名前。
- SQLServer - トレースのログを記録する SQL Server インスタンスの名前。
- SQLServerDatabase - トレース テーブルを格納する SQL Server データベースの名前。
- TraceTableName - トレースのログを記録するテーブルの名前。
- TraceDefinition - Analysis Services トレースの作成に使用したトレース テンプレートを含むファイルの名前。ASTrace テンプレートを変更する必要がある場合は、SQL Server Profiler を使用して変更してください。
サンプルの実行
サービスを開始しセキュリティを構成するには、次の手順に従います。
ステップ 1 : サービスを開始する
Windows サービス コントロール マネージャを開き、ASTrace ユーティリティの場所に移動して、サービスを開始します。
サービスが正常に開始した場合は、サービスが Analysis Services のインスタンスに接続してトレースを作成できたこと、および SQL Server に接続してトレース テーブルを作成し、そのテーブルへのログの記録を開始できたことを示します。
起動時に問題が発生した場合は、ローカル インストール ディレクトリ内に作成される ASTraceService.log ファイルにエラーが記録されます。名前を再度チェックし、すべてのサーバー名が正しく指定されていること、および ASTrace サービスに適切なセキュリティ権限があることを確認します。ASTrace ユーティリティは、LocalSystem アカウントを使用してインストールされます。これにより、ASTrace ユーティリティの機能をテストできるようになります。
ステップ 2 : セキュリティを構成する
ASTrace サービス アカウントを、適切なローカルまたはドメイン ユーザー アカウントに変更します。これにより、外部からの攻撃の危険を最小限に抑えることができます。
ASTrace サービス アプリケーションを実行するには、このサービスを実行するサービス アカウントに次の権限が与えられている必要があります。
- Analysis Services 管理者権限
- 指定したデータベース内にテーブルを作成してイベントのログを記録するための SQL Server データベース管理者権限
サンプルの削除
ASTrace サービスをアンインストールするには、次の手順に従います。
ASTrace サービスをアンインストールするには
コマンド プロンプト ウィンドウを開き、次のコマンドを実行します。
InstallUtil.exe ASTrace.exe