Reporting Services の国際化に関する注意点
更新 : 2006 年 4 月 14 日
SQL Server Reporting Services のセットアップ、レポート デザイナ、レポート マネージャ、HTML ビューア、およびレポート サーバーが返すすべてのメッセージのリソースは、各言語にローカライズされています。Reporting Services は、SQL Server でサポートされているすべての言語にローカライズされています。サポートされているすべての言語リソースは、セットアップ時にインストールされます。別の言語をサポートできるようにする場合に、別途インストール プログラムを実行する必要はありません。
レポート マネージャ、HTML ビューアなどのサーバー側のコンポーネントについては、それぞれのユーザーに対して有効な言語リソースが、実行時に判断されます。使用する言語リソースを決定するのは、クライアント アプリケーション (通常はブラウザ) と、レポート サーバーを実行するコンピュータのオペレーティング システムの両方です。このトピックでは、ブラウザとオペレーティング システムのロケール設定が、実行時の言語リソースの選択にどのような影響を及ぼすかについて説明します。
前のローカライズの問題に加え、このトピックでは、レポート言語の設定と、ローカライズされていないアイテムについても説明します。
Reporting Services での言語の使用方法
次の表は、Reporting Services のインストールで言語バージョンがどのように使用されるかを示しています。
言語 | 使用方法 |
---|---|
レポート サーバーの言語 |
サーバーの言語によって、次の項目の言語が決定されます。
SQL Server の言語 10 個すべてのサポートが Reporting Services の単一のインストールで提供されます (インストールする言語パッケージはありません)。 使用されるサーバーの言語は、オペレーティング システムの言語に依存します。正確に一致する言語がない場合は、近い言語が使用されます。近い言語がない場合、レポート サーバーは英語 (U.S.) を使用します。 |
ブラウザの言語 |
ブラウザの言語とロケールの設定によって、以下で使用される言語リソースが決まります。
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レポートの言語 |
レポートでは、ラベルおよび書式に以下の言語設定が使用されます。
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データベースの言語 |
レポートに表示されるデータは、データベース内の実際のデータ値、およびデータベース サーバーの照合順序設定によって決まります。 |
メモ : |
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SQL Server セットアップには、ローカライズされた特定の言語を使用できます。セットアップで使用した言語バージョンとは関係なく、Reporting Services では SQL Server のすべてのローカライズ言語がサポートされます。 |
レポートとレポート デザイナの言語設定
レポート デザイナでは、特定の言語で形式が決まっている値 (日付、通貨、数字など) を表示するためにレポートに言語を設定することができます。多言語環境にレポートを配置する場合、レポートに言語を設定することを推奨します。言語を設定しなかった場合、使用される形式はサーバーの言語によって決まります。たとえば、オペレーティング システムがフランス語である場合、ブラウザのロケールとカルチャが別の言語に設定されていても、レポートではフランス語のデータ形式と区切り記号が使用されます。特定のユーザーに対するロケールとカルチャを変更する場合は、レポートの言語を =User!Language 式に設定することによってロケールを設定できます。詳細については、「Reporting Services での式を使用した作業」を参照してください。
レポート デザイナ自体の場合、レポート作成環境に適用される言語リソースは、インストールされている Microsoft Visual Studio の言語によって決まります。たとえば、日本語版の Visual Studio を実行している場合、レポート デザイナにも日本語の言語リソースが使用されます。SSRS でサポートされていない言語版の Visual Studio を実行している場合、ニュートラル リソース言語が代用されます。ニュートラル リソースについては、この後の「オペレーティング システムの言語設定」を参照してください。ニュートラル リソース全般に関する情報については、Microsoft Visual Studio の製品ドキュメントを参照してください。
ブラウザの言語設定
ブラウザの言語設定は、レポート サーバーでそのクライアント接続に使用される言語リソースを決定する主な要因になります。たとえば、フランス語版 Internet Explorer で日本語のレポート サーバーにアクセスするユーザーは、フランス語版のレポート マネージャ、HTML ビューア、およびレポート サーバー フォルダの名前空間により作業を行います。さらに、返されるエラー、警告、情報のメッセージはすべてフランス語です。
クライアントの言語設定の影響を受けるのは、ユーザー インターフェイスのコンポーネントのみです。表示および管理するレポートは、以前に設定された言語設定を維持します。多言語環境では、これらの要因が重なり合って、1 人のユーザーが見る同一のブラウザ ページに複数の言語が表示されます。たとえば、フランス語版のクライアントを使用して日本語のレポートにアクセスする場合、ユーザーの画面には、フランス語と日本語の文字が次のように表示されます。
- レポート マネージャとレポート ツール バーは、クライアント アプリケーションがフランス語なのでフランス語で表示されます。
- レポートは、言語プロパティが日本語に設定されているので日本語で表示されます。レポートのレポート履歴スナップショット、パラメータ プロパティ、またはレポートに設定されているサブスクリプション プロパティも同様です。ロケール設定の詳細については、「Reporting Services での式を使用した作業」を参照してください。
オペレーティング システムの言語設定
クライアント アプリケーションと Reporting Services の言語が合致しない場合に使用するニュートラル リソースは、オペレーティング システムの言語によって決まります。レポート サーバーに、サポートされていない言語のクライアント アプリケーションが接続する場合、アプリケーションにはニュートラル リソースが返されます。
一部のアイテムは、クライアント アプリケーションのロケールとは無関係に、常にオペレーティング システムの言語設定に応じた言語で表示されます。次の表に、そのようなアイテムの説明を記載します。
アイテム | 説明 |
---|---|
定義済みロール |
Reporting Services をインストールすると、いくつかの定義済みロール (閲覧者、パブリッシャ、コンテンツ マネージャ、個人用レポート、システム管理者、およびシステム ユーザー) もインストールされ、レポート サーバーを実行するオペレーティング システムの言語リソースで表示されます。 |
Users フォルダおよび MyReports フォルダ |
個人用レポート機能が有効な場合、これらのフォルダ名は予約名になります。この機能には、固定したフォルダ構造が必要です。予約名の管理はレポート サーバーで行うので、予約されているフォルダ名は、レポート サーバーを実行するオペレーティング システムの言語リソースで表示されます。 |
ローカライズされないアイテム
ログ ファイル、AdventureWorks サンプル データベース、サンプル レポート、およびサンプル アプリケーションは多言語に対応していません。これらのアイテムは英語でのみ利用できます。
参照
概念
その他の技術情報
ヘルプおよび情報
変更履歴
リリース | 履歴 |
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2006 年 4 月 14 日 |
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