CScrollView::SetScrollSizes

[アーティクル]
08/09/2011

ビューが更新される直前に、SetScrollSizes を呼び出します。

void SetScrollSizes(
   int nMapMode,
   SIZE sizeTotal,
   const SIZE& sizePage = sizeDefault,
   const SIZE& sizeLine = sizeDefault 
);

パラメーター

nMapMode
ビューに設定するマップモード。次の値を使用できます。

マップモード	論理単位	y 軸を拡張する正方向
MM_TEXT	1 ピクセル	下方向
MM_HIMETRIC	0.01 mm	上方向
MM_TWIPS	1/1440 インチ	上方向
MM_HIENGLISH	0.001 インチ	上方向
MM_LOMETRIC	0.1 mm	上方向
MM_LOENGLISH	0.01 インチ	上方向

これらのモードはすべて Windows で定義されています。 2 つの標準マップモード MM_ISOTROPIC と MM_ANISOTROPIC は、CScrollView では使いません。クラスライブラリには、ビューをウィンドウのサイズに伸縮する SetScaleToFitSize メンバー関数が用意されています。表の 3 列目の項目は、座標の方向についての説明です。

sizeTotal
スクロールビューの全体のサイズです。 cx メンバーは水平方向のスクロール量を保持します。 cy メンバーは垂直方向のスクロール量を保持します。サイズは論理単位です。 cx と cy はどちらも 0 以上にする必要があります。
sizePage
スクロールバーシャフトでのマウスクリックに応答してスクロールするときの、水平および垂直の各方向へのスクロール量です。 cx メンバーは水平方向のスクロール量を持ちます。 cy メンバーは垂直方向のスクロール量を持ちます。
sizeLine
スクロールバーの矢印ボタンでのマウスクリックに応答してスクロールするときの、水平および垂直の各方向へのスクロール量です。 cx メンバーは水平方向のスクロール量を持ちます。 cy メンバーは垂直方向のスクロール量を持ちます。

解説

たとえば、ドキュメントが初期表示されるとき、またはサイズが変更されたときなどに、スクロールの特性を調整するためにオーバーライドした OnUpdate メンバー関数から呼び出します。

通常、ドキュメントクラスからの派生クラスで用意される GetMyDocSize などと名付けたドキュメントメンバー関数を呼び出すことにより、ビューに関連付けられたドキュメントからサイズ情報を取得します。次のコードは、そのアプローチを示します。

CMyScrollDoc* pMyDoc = (CMyScrollDoc*)GetDocument();
SetScrollSizes(nMapMode, pMyDoc->GetMyDocSize());

一方、固定サイズを設定するには、次のようにします。

SetScrollSizes(nMapMode, CSize(100, 100));

MM_ISOTROPIC または MM_ANISOTROPIC 以外の Windows のマップモードを設定する必要があります。自然なマップモードを使いたいときは、SetScrollSizes の代わりに SetScaleToFitSize を呼び出します。

使用例

void CMyScrollView::OnUpdate(CView* /*pSender*/, LPARAM /*lHint*/, 
   CObject* /*pHint*/)
{
   // Implement a GetMyDocSize() member function in 
   // your document class; it returns a CSize.
   CMyScrollDoc* pMyDoc = (CMyScrollDoc*)GetDocument();
   SetScrollSizes(MM_LOENGLISH, pMyDoc->GetMyDocSize());
   ResizeParentToFit();   // Default bShrinkOnly argument
}

void CMyScrollView::OnInitialUpdate()
{
   CScrollView::OnInitialUpdate();

   // The GetMyDocSize() member function is implemented in 
   // your document class. The return type is CSize.
   CMyScrollDoc* pMyDoc = (CMyScrollDoc*)GetDocument();
   SetScrollSizes(MM_TEXT, pMyDoc->GetMyDocSize());
}