IntelliTrace と呼び出し情報

このトピックの内容は、Visual Studio 2010 Ultimate のみに該当します。

既定では、指定した IntelliTrace イベントについてのみ、情報が収集されされます。 アプリケーションを中断モードに切り替えると、[IntelliTrace] ウィンドウの [IntelliTrace イベント] ビューを使用して、収集された診断イベントを確認できます。 [IntelliTrace イベント] ビューを使用すると、file-open イベント、例外、.NET Framework イベントなどについての IntelliTrace 情報を確認できます。

場合によっては、[IntelliTrace イベント] ビューに表示される情報よりも詳しい情報が必要になることがあります。 より詳細な情報が必要な場合は、IntelliTrace イベントのほかに呼び出し情報を収集することを選択できます。 呼び出し情報には、呼び出された関数、メソッド、またはプロシージャの名前、渡されたパラメーター、および返された戻り値が含まれます。

呼び出し情報を収集する場合は、IntelliTrace イベントの収集と比べて、より大きなパフォーマンス オーバーヘッドが発生します。 また、呼び出し情報を収集する場合は、ハード ディスク上の収集された情報を格納するログ ファイルのサイズも大きくなります。 アプリケーションの IntelliTrace イベントのみを収集している場合はパフォーマンスの低下に気付かなくても、呼び出し情報を収集している場合に気付く可能性があります。 このようなパフォーマンスの低下を最小化するために、特定のモジュールについてのみ呼び出し情報を収集し、他のモジュールについては無視することを選択できます。

呼び出し情報の収集

IntelliTrace に呼び出し情報を表示するには、デバッグ セッションの開始時から呼び出し情報の収集を始める必要があります。 デバッグ セッションの途中で呼び出し情報の収集を有効にした場合、その変更を有効にするためには、デバッグ セッションを始めからやり直す必要があります。

呼び出し情報を収集するように IntelliTrace を構成するには

1. [ツール] メニューの [オプション] をクリックします。

2. [オプション] ダイアログ ボックスで、[IntelliTrace] をクリックします。

3. [IntelliTrace を有効にする] の [IntelliTrace イベントと呼び出し情報] をクリックします。

   この変更は次のデバッグ セッションまで有効にならない旨を通知する警告が表示されます。

4. 対象とするモジュールのみ収集を行うように IntelliTrace を構成することもできます。 この手順は省略可能ですが、実行することにより、パフォーマンスを向上させ、トレース デバッグ ログ ファイルのサイズを最小化することができます。

   1. [IntelliTrace] ノードの下の [モジュール] をクリックします。

   2. [モジュール] ページで、[次を除くすべてのモジュールからデータを収集] または [次のモジュールからのみデータを収集] をクリックします。

   3. 一覧からモジュールを削除するには、モジュール名を強調表示し、[削除] をクリックします。

   4. 一覧にモジュールを追加するには、モジュール名を強調表示し、[追加] をクリックします。次に、[パターンの追加] ダイアログ ボックスでモジュール名を追加します。 複数のモジュールを追加する場合は、ワイルドカード文字 (*) をプレフィックスまたはサフィックスとして使用できます。

   5. モジュール リストを元の既定の内容に戻すには、[元に戻す] をクリックします。

5. 呼び出し情報を収集すると、ディスクに作成されるトレース デバッグ ログ ファイルのサイズも増大します。 この時点で、ログ ファイルの最大サイズを確認しておくことをお勧めします。

   1. [IntelliTrace] ノードの下の [詳細設定] をクリックします。

   2. 現在の設定を変更する場合は、[記録用の最大ディスク領域] ドロップダウン リストをクリックします。

6. [OK] をクリックします。

呼び出し情報の表示

IntelliTrace で呼び出し情報を収集すると、[IntelliTrace] ウィンドウで呼び出し情報を確認できます。 呼び出し情報は呼び出しビューに表示されます。

呼び出しビューを表示するには

• [IntelliTrace] ウィンドウの上部にあるツール バーで、[[呼び出し] ビューの表示] をクリックします。

次のような呼び出しビューが表示されます。

呼び出しビューでは、呼び出しおよび IntelliTrace イベントを階層的に表示して移動できます。

呼び出しビューは、デバッガーの [呼び出し履歴] ウィンドウを逆の形式にしたようなものです。 [呼び出し履歴] ウィンドウでは、現在の呼び出しが一番上に配置されます。 呼び出しビューでは、一番下に配置されます。

IntelliTrace でデバッグする場合、現在の呼び出しとは、表示している時間枠内で最新の呼び出しを意味します。 実時間の現在を意味するとは限りません。

呼び出しビューでは、現在の呼び出しの下に、現在の呼び出しから行われた呼び出しと、現在の呼び出し中に発生した IntelliTrace イベントがインデントして一覧表示されます。

任意の呼び出しをクリックして、その呼び出しを現在の呼び出しにすることができます。 また、現在の呼び出しの下でインデントされている IntelliTrace イベントまたは呼び出しサイトをクリックして、そのイベントまたは呼び出しサイトに移動できます。 呼び出しサイトをダブルクリックして、その呼び出しに移動することもできます。

詳細については、「IntelliTrace を使用した移動」を参照してください。

その他のナビゲーション ツール

[IntelliTrace イベントと呼び出し情報] を選択すると、呼び出しビューのほかに次のナビゲーション ツールが有効になります。

• ソース ウィンドウで、標準のデバッグ余白とマージンとの間にナビゲーション余白が表示されます。 ナビゲーション余白を使用すると、呼び出し間をステップ前進またはステップ後退する、前後の呼び出しまたは IntelliTrace イベントに移動する、ライブ モードに戻る、呼び出しフレームのデバッグ コンテキストを設定するなどの操作を実行できます。

• ソース ウィンドウのショートカット メニューに IntelliTrace 検索機能が表示されます。 この機能を使用して、特定の呼び出しのインスタンスに移動できます。

これらのツールの使用方法の詳細については、「IntelliTrace を使用した移動」を参照してください。

参照

概念

IntelliTrace によるコードのデバッグの高速化

IntelliTrace 情報の収集