手動テストのテスト設定の作成
テストの設定では、診断データ アダプターを使用します。診断データ アダプターによって、手動テスト、自動テスト、またはその両方を実行する際に収集するさまざまなデータの種類を指定します。 診断データ アダプターでは、テスト コンピューターにどのように影響を与えるかを指定することもできます。 たとえば、診断データ アダプターは操作の記録、操作ログ、ビデオ記録の作成や、システム情報の収集を行うことができます。 また、診断データ アダプターを使用して、テスト コンピューター上での潜在的なボトルネックをシミュレートしたり、使用可能なシステム メモリを減らしたりすることもできます。 たとえば、システムにボトルネックを付加するため、低速なネットワークをエミュレートすることができます。
テストの設定では、次の項目を定義します。
実行するテストの種類 (手動または自動)
テスト対象のアプリケーションに必要なロール セット
テストの実行に使用するロール
各ロールに使用する診断データ アダプター
手動テストで使用できるすべての診断データ アダプターの詳細については、次の手順の表を参照してください。
既定のテストの設定を使用したローカル コンピューターでのデータ収集
ローカル コンピューター上で手動テストを実行するだけで、アプリケーションの別の層でデータを収集しない場合は、既定のテストの設定を使用できます。 既定のテストの設定では、次の診断データ アダプターを使用して、ローカル コンピューター上のデータのみ収集します。
アクション
IntelliTrace およびテストの影響用の ASP.NET クライアント プロキシ
IntelliTrace
システム情報
テスト影響
テストの設定でロール セットを選択したり、この設定のためにテスト計画で環境を選択する必要はありません。 これは、作業を始める最も簡単な方法です。
注意
この方法を選択した場合、テスト計画のテストの設定を作成する必要はありません。 テスト計画を作成すると、既定の設定が追加されます。
特定の診断データ アダプターを使用したローカル コンピューターでのデータ収集
さまざまな診断データ アダプターを使用して、ローカル コンピューター上で手動テストを実行してデータを収集する場合は、テストの設定を作成して計画に追加する必要があります。 ただし、テストの設定にロール セットを追加する必要はありません。 ロール セットに "ローカル" という既定のロール セットを使用できます。 このセットでは、<ローカル コンピューターのみ> の既定の一致する環境が選択されます。
リモートでのデータの収集
ローカル コンピューターで手動テストを実行し、リモートにデータを収集する場合は、テスト対象のアプリケーションのリモート層を表すロール セット用の環境を作成する必要があります。 そして、テストの設定でこのロール セットを選択し、収集するデータと、各ロールのテスト コンピューターに与える影響を指定します。 また、テストを実行するローカル ロールのデータを収集することもできます。 このコンピューターは、[ロール セット] 領域にロール ビューのローカルとして表示されます。 このローカル コンピューターは、収集するデータおよび診断を選択するときにも表示されます。
次の表の最初の 2 列は、ローカル コンピューターで手動テストを実行する場合の、データの収集またはテスト コンピューターへの影響に関する選択肢の一覧です。 その後の 3 列は、各ケースで実行する必要がある操作の一覧です。
選択肢 1: データの収集またはテスト コンピューターへの影響 |
選択肢 2: 診断データ アダプター |
操作 1: テストの設定の作成 |
操作 2: 定義することが必要なロール セット |
操作 3: 必要な一致する環境 |
---|---|---|---|---|
ローカル コンピューターのみ |
|
作成しない: 既定のテストの設定を使用 |
X |
<ローカル> が既にテスト環境としてテスト計画に追加されている |
ローカル コンピューターのみ |
特定のアダプターの選択 |
○ |
既定の使用: <ローカル> |
既定の使用: <ローカル コンピューターのみ> |
ローカル コンピューターおよびリモート コンピューター |
特定のアダプターの選択 |
○ |
○ |
○ |
注意
環境にデスクトップ クライアントが含まれている場合、Microsoft テスト マネージャーをインストールする際に、このコンピューターで手動テストを実行できます。 手動テストをこのコンピューターで実行するため、事実上このコンピューターがテスト設定のローカル コンピューターとなります。
詳細については、「コンピューターの設定およびテストの設定を使用した診断情報の収集」を参照してください。
手動テストのテストの設定の作成
テストの設定など、テスト計画で設定できるプロパティの一部を次の図に示します。
手動テストのテストの設定を作成するには
Microsoft テスト マネージャーを開きます。
注意
Microsoft テスト マネージャーのウィンドウを表示するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をクリックします。 [Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Microsoft Test Manager 2010] をクリックします。
センター グループ スイッチャーの下向きの矢印をクリックし、[テスト センター] をクリックします。
センター グループ メニュー バーの [計画] をクリックし、[プロパティ] をクリックします。
現在選択されているテスト計画のプロパティが表示されます。
[手動での実行] で [テストの設定] のドロップダウン矢印をクリックし、[新規作成] をクリックします。
[全般] ページが選択された状態で、[新しいテストの設定] ページが表示されます。
注意
センター グループ メニュー バーの [テストの設定] をクリックし、[新規作成] をクリックして、ラボ センターでテストの設定を作成することもできます。
[名前] ボックスに、テストの設定の名前を入力します。
(省略可能) 他のチーム メンバーにテストの目的がわかるように、[説明] ボックスにテストの設定の説明を入力します。
[実行するテストの種類を選択してください。] の [手動] をクリックし、[次へ] をクリックします。
[ロール] ページが選択された状態で、[新しいテストの設定] ページが表示されます。
重要
手動テストを実行するロールとして、ローカル ロールが自動的に選択されます。
自動テストを使用する方法の詳細については、「テスト計画の一部としての自動テストのテスト設定の作成」を参照してください。
ロール セットを使用して、テストの実行時にリモートでデータを収集する、またはテスト コンピューターに影響を与える場合は、[ロール セット] および [一致する環境] が表示されている一覧から、ロール セットを選択します。 [次へ] をクリックします。
[データと診断] ページが選択された状態で、[新しいテストの設定] ページが表示されます。
注意
ローカル コンピューターでテストを実行し、データの収集と診断を実行するだけの場合は、選択されている [ロール セット] を既定値の [ローカル] のまま変更せず、[次へ] をクリックします。
各ロールで収集するデータと診断を選択するために、ロールを選択します。 各ロールで、必要に応じて診断データ アダプターを選択します。 各ロールに対して選択した診断データ アダプターを構成するには、[構成] をクリックします。
各診断データ アダプターの詳細および構成方法については、次の表に示す関連トピックを参照してください。
注意
表には、手動テストを実行するように選択したロールに使用できるアダプターのみが示されています。 診断データ アダプターの詳細については、「コンピューターの設定およびテストの設定を使用した診断情報の収集」を参照してください。
手動テストを実行するロールの診断データ アダプター
診断データ アダプター
関連するトピック
IntelliTrace およびテストの影響用の ASP.NET クライアント プロキシ: このプロキシを使用すると、IntelliTrace 診断データ アダプターとテスト影響診断データ アダプターでクライアントから Web サーバーへの HTTP 呼び出しに関する情報を収集できます。
この情報を収集するために構成は必要ありません。
イベント ログ: イベント ログ収集を指定し、これをテスト結果に含めるようにテストの設定を構成できます。
Actions (操作): テスト中に実行される各操作のテキスト説明を収集するテスト設定を作成できます。 このアダプターを構成した場合、選択項目は手動テストの実行時に操作の記録を作成する場合にも使用されます。 操作ログと操作の記録がテスト結果と共に保存されます。 テスト中の操作の記録を後で再生したり、操作ログからどのような操作が実行されたかを確認したりできます。
IntelliTrace: IntelliTrace 用に診断データ アダプターを構成して、特定の診断トレース情報を収集することで、再現が難しいバグを分離できます。 これにより、この情報を含む .iTrace という拡張子の IntelliTrace ファイルが作成されます。 テストが失敗した場合は、バグを作成できます。 テスト結果と共に保存される IntelliTrace ファイルがこのバグに自動的にリンクされます。 IntelliTrace ファイルにデータが収集されることによって、コードのエラーを再現して診断するために必要な時間が短縮され、この結果、デバッグの生産性が向上します。 この IntelliTrace ファイルから、別のコンピューターでローカル セッションをシミュレートできます。これにより、バグを再現できないリスクが減少します。
詳細については、「IntelliTrace を使用したデバッグ」を参照してください。
ネットワーク エミュレーション: テストの設定を使用して、テストに対して人為的なネットワーク負荷をかけることを指定できます。 ネットワーク エミュレーションでは、ダイヤルアップなどの特定のネットワーク接続の速度をエミュレートすることにより、マシンに対する通信に影響を与えます。
メモネットワーク接続の速度を向上するためにネットワーク エミュレーションを使用することはできません。システム情報: テストを実行するコンピューターのシステム情報を含めるようにテストの設定を指定できます。 システム情報は、テストの設定を使用して、テスト結果で指定します。
この情報を収集するために構成は必要ありません。
テスト影響: テスト ケースの実行時にアプリケーション コードのどのメソッドが使用されたかについての情報を収集できます。 これを、開発者によるアプリケーション コードに対する変更と合わせて使用することにより、このような開発上の変更によって影響を受けたテストを判別できます。
ビデオ レコーダー: テストの実行時にデスクトップ セッションのビデオ記録を作成できます。 ビデオは、再現するのが困難なアプリケーション上の懸案事項をチーム メンバーが特定するのに役立ちます。
[保存して閉じる] をクリックして、テストの設定を保存します。
対応するテスト環境が、[テスト環境] で自動的に選択されます。 テストの設定のロール セットに対応するテスト環境が複数存在する場合は、対応する別の環境を選択できます。
ツール バーの [上書き保存] をクリックすることにより、テスト計画に対する変更を適用できます。
注意
テストの設定を変更する必要がある場合は、テストの設定のドロップダウン矢印の横の [開く] をクリックします。 センター グループ メニュー バーの [テストの設定] をクリックし、[開く] をクリックして、ラボ センターを表示することもできます。 詳細については、「方法: テスト計画の既存のテスト設定を編集する」を参照してください。
参照
概念
コンピューターの設定およびテストの設定を使用した診断情報の収集
テスト コンピューターでのテストの実行またはデータの収集の設定