バージョン (マスター データ サービス)
Applies to: SQL Server - Windows only Azure SQL Managed Instance
マスター データ サービスでは、1 つのモデル内に複数のバージョンのマスター データを作成できます。 データを検証している間はバージョンをロックし、データが検証した後にコミットすることができます。 コミットされたバージョンは、変更の監査可能なレコードを形成します。 作成される各バージョンには、モデルのすべてのメンバー、属性値、階層メンバー、階層リレーションシップ、およびコレクションが含まれます。
バージョンを使用するタイミング
バージョンは、次の場合に使用します。
時間と共に変化するマスター データの監査可能なレコードを保持する場合。
ビジネス ルールに対してすべてのデータが正常に検証されるようにする間、ユーザーによる変更を防止する場合。
サブスクライブ システムによって使用されるようにモデルをロック ダウンする場合。
さまざまな階層をすぐに実装しないでテストする場合。
Note
新しいエンティティまたはドメイン ベースの属性を作成するなど、モデルの構造を変更すると、その変更がすべてのバージョンに適用されます。 以前のバージョンのモデルを表示すると、エンティティまたは属性は表示されますが、データは存在しません。
バージョン フラグ
バージョンがユーザーまたはサブスクライブ システムによって使用される状態になったら、バージョンを識別するためのフラグを設定できます。 このフラグは、必要に応じてバージョン間で移動できます。 フラグによって、ユーザーおよびサブスクライブ システムは使用するモデルのバージョンを識別できます。
バージョン管理のワークフロー
次のワークフローを使用して、バージョン管理を行います。
最初のバージョンは、モデルを作成してマスター データ サービス データベースに会社のマスター データを追加するときに自動的に作成されます。 ユーザーは権限に基づいて、必要に応じてこのバージョンを変更できます。
モデルのバージョンをコミットする場合は、モデル管理者のみがデータを更新できるように、バージョンをロックします。 詳細については、「管理者 (マスター データ サービス)」を参照してください。 通知が構成されている場合、バージョンのステータスが変更されるたびに電子メール通知がモデル管理者に送信されます。 詳細については、「電子メール通知の設定 (マスター データ サービス)」を参照してください。
ロックしたバージョンのデータにビジネス ルールを適用し、検証の問題がないか確認します。 必要に応じて、不足している情報を入力したり、問題の原因となったトランザクションを破棄したりできます。 ユーザーが変更できるように、バージョンのロックを解除することもできます。
すべてのデータが検証に合格したら、バージョンをコミットし、サブスクライブ システムで使用できるようにバージョンにフラグを設定します。 コミットしたバージョンを変更することはできません。
コミットしたバージョンをコピーし、ユーザーに新しいバージョンのモデルで作業できるようになったことを通知します。
順次バージョンまたは同時バージョン
モデルの順次バージョンまたは同時バージョンを作成できます。
順次バージョン。 バージョンをコミットするたびに、新しいコピーを作成して、バージョンに次の連続番号を付けます。 たとえば、 バージョン 7 のモデルをコピーし、そのコピーに バージョン 8という名前を付けることができます。
同時バージョン。 一度に 2 つ以上のバージョンのデータで作業を行う場合は、モデルの同時バージョンを作成します。 同時バージョンは、通常の業務と並行して会社の再編や合併を行う場合に、新しいマスター データを既存の構造に適合させる方法を決める際に役立ちます。
Note
マスター データ サービス構成マネージャーでの設定によって、すべてのバージョンまたはコミットされたバージョンのみをコピーできるかどうかが決まります。 同時に存在するバージョンを作成するには、すべてのバージョンをコピーできるようにマスター データ サービスを設定する必要があります。 この設定は、System Settings テーブルでも行うことができます。 詳細については、「システム設定 (マスター データ サービス)」を参照してください。
Related Tasks
タスクの説明 | トピック |
---|---|
既存のバージョンの名前を変更する。 | バージョン名の変更 (マスター データ サービス) |
管理者のみがデータを編集できるようにバージョンをロックする。 | バージョンのロック (マスター データ サービス) |
ユーザーがデータを編集できるようにバージョンのロックを解除する。 | バージョンのロック解除 (マスター データ サービス) |
すべてのデータを検証した後にバージョンをコミットする。 | バージョンのコミット (マスター データ サービス) |
新しいフラグを作成してバージョンをマークする。 | バージョン フラグの作成 (マスター データ サービス) |
既存のバージョンのフラグ名を変更する。 | バージョン フラグ名の変更 (マスター データ サービス) |
既存のフラグをバージョンに割り当てる。 | バージョンにフラグを割り当てる (マスター データ サービス) |
既存のバージョンの新しいコピーを作成する。 | バージョンのコピー (マスター データ サービス) |
既存のバージョンを削除する。 | バージョンの削除 (マスター データ サービス) |
論理削除したメンバーをバージョンから削除する | バージョン メンバーの消去 (マスター データ サービス) |