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レポート デザイナーを使用して Reporting Services の改ページ調整されたレポートをデザインする (SSRS)

適用対象: SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降

Report Designer を使用すると、SQL Server Reporting Services (SSRS) のフル機能付きのページ割り付けレポートおよびレポート ソリューションを作成できます。 Report Designer には以下が備わっています:

  • データ ソース、データセット、クエリを定義する方法。
  • データ領域とフィールドのレイアウトを設計およびカスタマイズするための機能。
  • 連携するパラメーターやレポートのセットなどの対話型機能。

レポート デザイナーは、Microsoft Visual Studio のビジネス インテリジェンス ソリューション作成環境である SQL Server Data Tools (SSDT) の機能です。

SSDT のインストール

SSDT は、SQL Server には含まれていません。 別途 SSDT をインストールする必要はありません。 手順については、「Visual Studio で SSDT をインストールする」をご覧ください。

Report Designer テンプレートを使用するには、Visual Studio 用の SSRS 拡張機能もインストールする必要があります。 手順については、「Analysis Services、統合サービス、Reporting Services の拡張機能をインストールする」を参照してください。

レポート プロジェクトの利点

Report Designer では、プロジェクトを使用してレポートを整理できます。 レポート プロジェクトは、レポート定義およびリソース用のコンテナーの役割を果たします。 以下のタスクにプロジェクトを使うことはできません:

  • レポートおよび関連アイテムを 1 つのコンテナーをまとめる。
  • レポートおよび関連アイテムがローカルに格納されているレポート ソリューションをテストする。
  • 関連アイテムをまとめて配置する。 プロジェクトのプロパティと構成管理を使用して、複数の環境に配置できます。
  • 配置後に公開されたレポートが誤って変更される可能性があるため、レポートおよび関連アイテムのプライマリ コピーのセットを保持します。

この記事の情報は、SSDT ソリューションで単一レポート プロジェクトのページ割り付けレポートおよび関連アイテムを設計する場合に参考にできます。 SSDT のソリューションおよび複数のプロジェクト詳細については、「SQL Server Data Toolsの Reporting Services (SSDT)」を参照してください。

共有データ ソースとデータセット

SSDT は、レポート ソリューションの共有データ ソースと共有データセットを定義してデプロイする方法を提供します。

  • プロジェクト内の他の項目とは別に共有データ ソースを配置するには、OverwriteDataSources プロパティと TargetDataSourceFolder プロパティを使用できます。
  • プロジェクト内の他の項目とは別に共有データセットを配置するには、OverwriteDatasets プロパティと TargetDatasetFolder プロパティを使用できます。

詳細については、「配置プロパティを設定する (Reporting Services)」を参照してください。

Report Designer では、レポート データ ペインとソリューション エクスプローラーの両方で作業して、レポートで使用されるデータ ソースと共有データセットを定義します。 詳細については、「レポート データ ウィンドウ」を参照してください。

データ ソースがレポート サーバーまたは SharePoint サイトに公開されたものの、SSDT ソリューションに含まれていない場合、SSDT を使用してそのデータ ソースを開くことはできません。 同様に、レポート サーバーまたは SharePoint サイトから直接公開済みデータセットを開く際に、SSDT を使用することはできません。 これらのシナリオでデータ ソースまたはデータセットを開くには、レポート ビルダーを使用できます。 詳細については、「レポート ビルダー作成環境 (SSRS)」を参照してください。 データセットの場合は、その環境を共有データセット モードで使用します。

SSDT はクライアント ツールです。 次の目的に使用できます。

  • レポート ソリューションをコンピューター上でローカルでテストします。
  • レポート ソリューションをテスト環境にデプロイして、サーバー ソリューションをテストします。
  • レポート ソリューションを運用環境に配置します。
  • SSDT クエリ デザイナーの以前の機能を使用すると、クエリ結果をローカルに作成してテストできます。

配置後:

ページ割り付けレポートのデータに関する詳細については、「レポート ビルダーでデータ接続文字列を作成する」を参照してください。

ページ割り付けレポート

ページネーションのあるレポートは、レポート プロジェクト内に保存されるファイルです。 ページ割り付けレポート ファイルは、スタンドアロン レポート、サブレポート、またはメイン レポートからのドリルスルー アクションのターゲットとして使用できます。 プロジェクト内の他のアイテムとは別にレポートを配置するには、TargetReportFolder プロパティとその他のプロパティを使用できます。 詳細については、「配置プロパティを設定する (Reporting Services)」を参照してください。

Note

SharePoint モードでレポート サーバーに公開する場合、Report Designer プロジェクトでは一部のレポート ソリューション機能をテストできません。 レポート、サブレポート、および詳細レポートへの参照では、レポート プロジェクトの配置後にのみテストできる完全修飾 URL を使用する必要があります。 詳細については、「レポート サーバー上のアイテムの URL の例 - SharePoint モード」を参照してください。

visual Studio で SSRS 拡張機能をインストールする場合は、「SSDT のインストール」で前述したように、レポート サーバー プロジェクト テンプレートを使用して新しいプロジェクトを作成できます。 次に、レポートは、次のいずれかの方法のプロジェクトに追加できます:

  • レポート ウィザードを使用します。 順を追った指示に従ってレポートを作成します。 レポート ウィザードでは、データ定義とレポート デザインが、一連の手順に簡略化され、完成したレポートが生成されます。 スタイルを追加して、組織のウィザードをカスタマイズできます。 詳細については、「レポート ウィザードを使用して新しいレポートを追加する」を参照してください。

  • 新しい種類のアイテム (レポート) を追加する 空のレポートがレポート デザイナーに表示されます。 詳細については、「新しい白紙のレポートを追加する」をご覧ください。

  • 既存のアイテムの追加 既存のレポート定義 (.rdl) ファイルが Report Designer で開きます。 以前のバージョンの SSRS からレポートまたはプロジェクトを開くと、プロジェクトが現在のバージョンに、レポートが現在のスキーマに自動的にアップグレードされます。 詳細については、「レポートのアップグレード (SSRS)」を参照してください。

  • Microsoft Access レポートをインポートします。 インポート プロセスでは、Access データベース (.mdb、.accdb) またはプロジェクト (.adp) ファイルからすべてのレポートをインポートします。 Report Designer によって、データベースまたはプロジェクト ファイル内の各レポートがレポート定義言語 (RDL) に変換され、レポート プロジェクト内に保存されます。 Access レポートのすべての機能がレポート定義 (.rdl) ファイルに転送されるわけではありません。 詳細については、「レポートを Microsoft Access (レポート サービス) からインポートする」を参照してください。

    Note

    インポート機能を使用するには、レポート デザイナーがインストールされているコンピューターに Access 2002 以降のバージョンがインストールされている必要があります。 レポートのインポート時に、Access レポートのデータ ソースが使用可能な状態である必要があります。

  • RDL ファイルで直接操作します。 レポートは、XML 形式で RDL ファイルとして保存されます。 このファイルは、Report Designer、テキスト エディターまたは任意の XML エディターで編集できます。

    Report Designer でレポート定義ソースを編集する際は、開発ツールのインストール元である SQL Server のバージョンの現在の RDL スキーマで作業します。 プロジェクトを構築する際に、配置プロパティに応じてスキーマ バージョンが変更されることがあります。 詳細については、「SQL Server Data Tools (SSDT) の配置およびバージョン サポート」を参照してください。

    RDL を直接編集すると、生成されるレポートがレポート サーバーにパブリッシュできなかったり、実行できなかったりする場合があります。 XML ファイルと同様に、要素内で使用されている XML 固有の文字が正しくエンコードされていることを確認します。 レポートを公開すると、レポート サーバー側でそのスキーマを基にして RDL ファイル内の XML の検証が行われます。

    RDL スキーマの一部ではない要素を含めるには、その要素をカスタム要素に配置します。 カスタム表示拡張機能では、カスタム要素を読み取ることができます。 ただし、SSRSによって提供される表示拡張機能では、要素は無視されます。 たとえば、カスタム要素を使用するとレポートにコメントを保存できます。

    詳細については、「レポート定義言語 (SSRS)」を参照してください。

レポート パーツ

注意

レポート パーツは、SQL Server Reporting Services 2019 以降の SQL Server Reporting Services のすべてのリリースと、Power BI Report Server 2022 年 9 月以降の Power BI Report Server のすべてのリリースで廃止になっています。

Report Designer では、テーブル、グラフ、およびその他のページ分割されたレポート アイテムをプロジェクトに作成できます。 それらを作成すると、レポート サーバーや、レポート サーバーに統合されている SharePoint サイトに [レポート パーツ] としてパブリッシュできます。 このアクションを使用すると、自分や他のユーザーが他のレポートで再利用できます。 詳細については、「レポート デザイナーでのレポート パーツ (SSRS)」を参照してください。

TargetReportPartFolder プロパティやその他のプロパティを使用して、プロジェクト内の他のアイテムとは別にレポート パーツを配置できます。 詳細については、「配置プロパティを設定する (Reporting Services)」を参照してください。

リソース

レポートに関連していて、レポート サーバーによって処理されないファイルを、プロジェクトに追加できます。 たとえば、画像を追加したり、空間データ用に Environmental Systems Research Institute, Inc. (ESRI) シェープファイルを追加したりできます。 詳しくは、リソースに関する記事をご覧ください。

ページ分割されたレポートのレイアウト

レポート レイアウトを作成するには、レポート アイテムとデータ領域を Report Designer ツールボックスからデザイン サーフェイスにドラッグして位置を調整します。 データセット フィールドをデザイン サーフェイスのアイテムにドラッグして、レポートにデータを追加できます。 Tablix データ領域でデータをグループにまとめるには、データセット フィールドをグループ化ウィンドウにドラッグします。 レポート作成ツールは基本的にレポート定義を作成する方法であるため、Report Builder と Report Designer でのレポート デザイン方法は似ています。

ページ分割されたレポートのプレビュー

[プレビュー] は、レポート データとレイアウト デザインを確認する際に使用できます。 レポートをプレビューすると、レポート プロセッサはレポート定義スキーマと式の構文を検証します。 また、[出力] ウィンドウに問題が一覧表示されます。

Note

レポートをプレビューすると、レポートのデータがローカル コンピューターのファイルにキャッシュされます。 同じレポートを、同じクエリ、パラメーター、および資格情報を使用して再びプレビューすると、レポート デザイナーはクエリを再実行する代わりにキャッシュされたコピーを表示します。 データ ファイルは <report-name>.rdl.data として、レポート定義ファイルと同じディレクトリに保存されます。 Report Designer を終了してもファイルは削除されません。

レポートは、次の方法でプレビューできます。

  • [プレビュー] ビュー [プレビュー] タブを選択すると、レポートはローカルで実行されます。 これは、レポート サーバーで提供されるものと同じレポート処理およびレンダリング機能を使用します。 表示されるレポートは対話型の画像です。 ユーザーは、パラメーターの選択、リンクの選択、ドキュメント マップの表示、レポートの非表示部分の展開と折りたたみなどを行うことができます。 また、インストールされている任意の表示形式にレポートをエクスポートできます。

  • スタンドアロン プレビュー。 ブラウザーでローカル レポートを実行できます。 デバッグ構成を使用すると、このモードを使用して、作成したカスタム アセンブリをデバッグすることもできます。 デバッグ モードでプロジェクトを実行するには 3 つの方法があります:

    • [デバッグ] メニューの [デバッグの開始] を選択できます。
    • Visual Studio の標準ツール バーで、[開始] ボタンを選択できます。
    • [F5] を選択できます。

    レポートを作成しても配置しないプロジェクト構成を使用している場合は、現在の構成の StartItem プロパティで指定されたレポートが、別のプレビュー ウィンドウで開きます。

    Note

    デバッグ モードを使用するには、開始アイテムを設定する必要があります。 開始項目を設定するには、ソリューション エクスプローラーに移動し、レポート プロジェクトを右クリックし、[プロパティ] を選択します。 次に、[StartItem] で、表示するレポートの名前を選択します。

    プロジェクトの開始項目ではない特定のレポートをプレビューする場合は、レポートをビルドするが配置しない構成を選択できます。 たとえば、DebugLocal 構成を使用できます。 次に、レポートを右クリックし、[実行] を選択します。 レポートを展開しない構成を選択する必要があります。 それ以外の場合、レポートは、プレビュー ウィンドウにローカルに表示されるのではなく、レポート サーバーに公開されます。

  • プリント プレビュー。 プレビュー モードまたはプレビュー ウィンドウに最初にレポートが表示される場合、そのレポートの表示は、HTML 表示拡張機能によって生成されるレポートと似ています。 プレビューは HTML 形式ではありませんが、レポートのレイアウトおよび改ページは HTML 出力と似ています。

    印刷プレビュー モードに切り替えることによって、表示を変更し、印刷されるレポートを表示できます。 [プレビュー] ツール バーの [プリント プレビュー] を選択すると、レポートは物理ページにあるかのように表示されます。 この表示は、画像表示拡張機能および PDF 表示拡張機能によって生成される出力と似ています。 プリント プレビューは、画像または PDF ファイルではありませんが、レポートのレイアウトおよびページ割り当ては、それらの形式での出力と似ています。 レポート画像のサイズを選択したり、ページの幅を設定するなどが行えます。

    プリント プレビューを使用すると、レポートを印刷するときに発生する可能性があるレポート表示の問題を識別できます。 一般的な表示の問題は次のとおりです。

    • レポートの幅が広すぎて、レポートに対して指定した用紙サイズに収まらないため、余分な空白ページが表示される。
    • 指定した用紙の幅を超えて動的に拡張されるマトリックスがレポートに含まれているため、余分な空白ページが表示される。
    • グループ間の改ページが思いどおりに動作しない。
    • ヘッダーとフッターが期待どおりに表示されない。
    • 印刷形式で読みやすいようにレポート レイアウトを変更する必要がある。

ページ分割レポートの保存および配置

レポート デザイナーでは、レポートおよび他のプロジェクト ファイルをローカルに保存することも、レポート サーバーまたは SharePoint サイトに配置することもできます。 共有データ ソース、共有データセット、レポート、レポート リソース、およびレポート パーツは、ユーザーが構成するプロジェクト配置プロパティに応じて、別々に配置することも、まとめて配置することもできます。 詳細については、「構成プロパティと配置プロパティ」を参照してください。

Report Designer では、SSDT の現在のバージョンの SSRS でサポートされているレポート定義スキーマを使用してレポートをデザインします。 特定のレポート サーバーまたは SharePoint サイトのプロジェクト配置プロパティを設定できます。 レポートを保存すると、レポート デザイナーによって、対象レポート サーバーのバージョンと一致するスキーマ内のビルド ディレクトリにレポート定義が保存されます。 旧バージョンの SSRS を使用するレポート サーバー上で公開できるレポートを作成するために、Report Designer は対象スキーマに存在しないレポート アイテムを削除します。 このアクションは、メッセージが表示されずに自動的に行われます。 このアクションが行われた場合、元のレポート定義はプロジェクト フォルダーに保持されます。 Report Designer が配置する変更済みのレポート定義は、ビルド フォルダーにあります。

Note

式および配置エラーをデバッグする場合、ビルド フォルダー内のレポート定義を表示する必要があります。 レポート ファイルのショートカット メニューで [コードの表示] を使用して、この場合のレポート定義を表示しないでください。 [コードの表示] を選択すると、プロジェクト フォルダーからレポート定義ソースが開きます。

詳細については、「SQL Server Data Tools (SSDT) の配置およびバージョン サポート」を参照してください。

ローカルでのレポートの保存

Report Designer でレポートまたは他のプロジェクト アイテムを操作する場合、ファイルはローカル コンピューターまたはアクセス権限のある別のコンピューター上のファイル共有に保存されます。

ソース管理ソフトウェアを使用する場合は、レポートを保存操作をする際にレポートをソース管理サーバーにチェックインすることがあります。 詳細については、「ソース管理」を参照してください。

ページ分割レポートの配置または公開

SSRS では、レポートまたは他のプロジェクト アイテムを複数のバージョンの SSRS レポート サーバーに配置できます。 対象レポート サーバーと互換性のあるスキーマ バージョンへのレポート定義のアップグレードを制御するには、プロジェクト構成を使用します。 プロジェクト構成で制御される特定のプロパティには、対象レポート サーバー、ビルド プロセスでプレビューと配置のためにレポート定義を一時的に保存するフォルダー、およびエラー レベルが含まれます。 詳細については、「構成プロパティと配置プロパティ」および「配置プロパティを設定する (Reporting Services)」を参照してください。

別のファイル形式へのページ分割レポートのエクスポート

レポートはさまざまな形式にエクスポートできます。 これらの形式は、一部のレポート レイアウトや対話機能に影響を与えます。 各種の出力形式に関するデザイン上の注意事項の詳細については、「ページ割り付けレポートのエクスポート (レポート ビルダー)」を参照してください。

レポートの検証とエラー レベル

レポートは、プレビューの前および配置時に検証されます。 レポートをビルドする際に多くの問題が発生する可能性があります。 例えば、レポートには、プロジェクト構成が指定する SSRS のバージョンと互換性を持たない式やクエリなどの文字列が含まれる場合があります。

ビルドに関する警告やエラーを管理するには、ErrorLevel プロパティを使用します。 ErrorLevel プロパティには、0 から 4 までの値を割り当てることができます。 値によって、エラーとしてレポートされるビルドの問題や、警告としてレポートされるビルドの問題が決まります。 既定値は 2 です。 警告とエラーは SSDT Output ウィンドウに書き込まれます。

ErrorLevel 値以下の重大度レベルに関する問題は、エラーとして報告されます。 その他の問題は警告として報告されます。

次の表に、エラー レベルを示します。

エラー レベル 説明
0 レポートのプレビューおよび配置を妨げる最も重大なビルドの問題。
1 レポートのレイアウトが大幅に変更される重大なビルドの問題
2 レポートのレイアウトが大幅に変更される重大度のやや低いビルドの問題
3 レポートのレイアウトが目立たない程度に若干変更されるマイナーなビルドの問題
4 発行の問題に関する警告

SSRS のバージョンでサポートされていないレポート アイテムを含むレポートをプレビューまたはデプロイできます。 ただし、これらのレポート アイテムはレポートから削除され、レベル 2 エラーが発行されることがあります。 ErrorLevel プロパティが既定値の 2 に設定されている場合、この場合のビルドは失敗します。

ErrorLevel 値を 0 または 1 に変更することで、この問題を回避できます。 その後、項目が削除されると警告が発行され、ビルド プロセスが続行されます。