会話型のビルダーを使用したエージェントの作成
このユニットでは、Microsoft Copilot Studio と自然言語を使用してエージェントを作成します。
自然言語理解 (NLU)
Conversational AI の基本的なコンポーネントは、自然言語理解 (NLU) です。 人間は、他人と会話するときに、すでに知っている単語を使い、自分自身の言語で質問します。 ユーザーの会話エクスペリエンスの重要な要素は、学習を必要とする特別な言語や構文ではなく、理解できる語彙を使いながら、自然に質問できる機能です。
ある人から質問されると、質問された人は質問の意図を理解し、それに従って行動します。 こうして検出または想定される意図には、文章、コメント、あるいは別の質問でフォローアップできます。 このような対話の複雑さは、その意図と、質問したユーザーの正しい意図を一致させることにあります。 これを理解するには、NLU (自然言語理解) テクノロジを使用します。Conversational AI アプリケーションは、人間が使用する自然言語を理解し、質問の意図を認識して、それに応じた行動ができます。
従来の Conversational AI 部門の開発者は、ロジック レイヤーと UI レイヤー、および、特定のフォローアップ動作に関する他のレイヤーや統合を組み合わせて、独立した NLU レイヤーを作成、トレーニング、テスト、展開する必要がありました。 Microsoft Copilot Studio の目標は、Conversational AI を普及させ、ローコードとプロコードの両方の作成エクスペリエンスと作成機能を提供して、エージェントの使用開始、管理、展開、および繰り返し利用を組織で簡単に行えるようにすることです。 Copilot Studio は、前のタスクで学習した生成型の回答などの生成 AI 機能と、独自の事前トレーニング済み自然言語理解 (NLU) 機能の両方を備え、すぐに使える状態で提供されています。 つまり、作成者は独自の NLU サービスを使用したりプロビジョニングしたりする必要がなく、トピック内にトリガー フレーズを入力するだけで、作成済みトピックの構築とエージェントのトレーニングをすぐに開始できます。 また、ユーザーの会話文の主題を抽出して、これを変数として保存し使用することにより、標準エンティティとカスタム エンティティを意図認識や進行中の会話で検出することができます。
さらに、Copilot Studio で会話エクスペリエンスおよび複数の作成済みトピックを作成する場合、作成者はトピックの重複を制限して、ユーザーの質問と一致した上位の意図が NLU に 2 つ以上含まれている場合に発生する可能性がある、曖昧性解消シナリオを回避する必要があります。 つまり、NLU では質問を行った人を確認し、一致したトピック間の意図 (X と Y のどちらを意味しているのか) を確定する必要があります。 Microsoft Copilot Studio には、エージェント構築作業でエージェント作成者をサポートするトピックの重複検出機能や、もしかしてエクスペリエンスにトピックを表示させない機能などが含まれています。
生成 AI 機能
生成 AI は大規模な言語モデル (LLM) を使用してオリジナル コンテンツを生成し、自然言語を理解して応答を提供する人口知能テクノロジです。 Copilot Studio では、次の生成 AI 機能を使用してコンテンツを、個別あるいはすべてまとめて、取得および作成できます。
便利なエージェントを瞬時に作成。 必要なトピックを手動で作成するのではなく、"空" のエージェントが指定したナレッジ ソース (Web サイトやファイルなど) に基づいて回答を生成します。
AI による一般知識を活用。 このオプションを有効にすると、指定したナレッジ、ソース、またはトピックに関係しない一般的な質問にエージェントが回答します。
自然言語を使用したトピックの作成。 トピックで行う操作を記述すると、Copilot Studio がそれを作成します。 エージェントには会話の応答と複数のタイプのノードが含まれます。 提案された既定のトピックを起点として使用し、そこから開発を進めることもできます。
生成アクションの有効化。 実行時にエージェントが最も適切なトピックとアクションを選択するよう設定できます。
Copilot Studio で生成 AI を使用するとエージェントの作成方法が変わり、手作業や設定の項目が大幅に減ります。
自然言語でエージェントを作成する
エージェントの目的と、どのように機能するかを自然言語で記述することで、エージェントを作成できます。
エージェントを作成するには、説明と指示を入力します。
説明 フィールドで、このエージェントの目的と機能を説明します。
指示 フィールドで、主な目的と、どのように動作するかをエージェントに伝えます。
たとえば、説明のテキスト ボックスに
Demonstrate the use of natural language understanding in agents
と入力し、指示のテキスト ボックスにCreate an agent for topics relating to natural language understanding (NLU) for agent creating with Microsoft Copilot Studio. The agent answers in 20 words or less. Use bullets wherever possible.
と入力してエージェントを作成できます。ヒント
カスタムな指示の作成について詳しくは、プロンプト エンジニアリングのテクニック および プロンプト変更を使用して、エージェントにカスタム指示を提供する を参照してください。
テスト ペインに、次のスクリーンショットのような画面が表示されます。
テスト ペインに
In which ways can Copilot agents use natural language?
と入力します。次のスクリーンショットのような応答が表示されます。
注意
ナレッジを指定しなくてもこの機能を使用できますが、ナレッジを追加するとより関連性の高い応答が返されます。