Power BI 用 Copilot に使用するデータを準備する
Microsoft Power BI では、1 つのツールで対話型レポートの作成が完結します。 一般的なレポートは次の手順で作成されます。
- データの準備とモデリング
- データの視覚化と分析
- レポートの保護と配布
データの複雑さやレポートに求められる要件によっては、各手順の実行に時間がかかり、Power BI を初めて使用するユーザーにとっては負担の大きい作業となる場合があります。 Power BI 用 Copilot を使用して次のようなタスクを実行すれば、レポートの作成にかかる時間を短縮できます。
- 日常的に使う言葉でメジャーを作成する。
- 強化されたユーザー Q&A エクスペリエンスのシノニムでセマンティック モデルを更新する。
- 事前に用意されたプロンプトを使用し、レポートのコンテンツ、集計ビジュアル、ページを作成する。
- 基盤となるセマンティック モデルの要約を分析する。
ただし、データをクレンジングするタスクや変換するタスクについては、レポートに表示するデータの正確性を確保するために、ユーザー自身で実行する必要があります。
データの品質を確保する
セマンティック モデルは、データ品質という観点から多角的に評価する必要があります。そうしなければ、効果的に Copilot を活用することができなくなる可能性があります。
Power BI レポートを作成するときには、データの品質を確保することが非常に重要です。データの品質は、データから引き出すインサイトの正確性や信頼性に直接的な影響を与えるためです。 次の例は、Power BI レポートの作成においてデータの品質が与える影響を示しています。
- 完全性: 値が欠損している場合、不整合が発生する可能性があります。
- 妥当性: 範囲外のデータ値が存在している場合、不正確なビジュアルや計算結果につながる可能性があります。
- 一貫性: データに不整合が発生している場合、日付に関連するビジュアルが正確に表示されない場合があります。
- 一意性: 重複が発生している場合、データの正確性が低下する可能性があります。
- データ リレーションシップ: リレーションシップが作成されていない場合、複数のテーブルを利用してビジュアルを作成することができなくなる可能性があります。
- DAX 計算: 計算機能に制限がある場合、作成できるインサイトの種類が少なくなる可能性があります。
Power Query を使用してデータを準備する
Power Query は、Power BI Desktop の主要な機能であり、セマンティック モデルの準備に使用できます。 Power Query は、Power BI レポートを作成するプロセスの初期段階で使用する機能であり、Copilot の使用時に不可欠となります。 次のプロセスで Power Query 使用すると、データの品質を確保できます。
- データの準備: 列の品質、ディストリビューション、プロファイルを評価します。
- データのクリーニング: 不整合、予期しない値、null 値など、データ品質に影響を与える問題を解決します。
- データの変換: 列やクエリを管理しやすくするための命名規則の設定、列のデータ型の変更、データ型変換の適用を行います。
注
ユーザーには、レポートの公開先となる Power BI サービスの F64 または Power BI Premium を使用するワークスペースへの書き込み権限が必要です。 詳細については、「Power BI 用 Copilot を有効にする」を参照してください。