データベースを自動的に削除する
Windows Server AppFabric の自動削除機能の目的は、ディスク上の AppFabric 監視データベースの容量増加を自動的および定期的に確認し、必要に応じてディスクの使用量を削減します。これにより、監視データベース容量が無制限に増大してディスク上の領域を消費しすぎないようにします。この機能は、データベースが構成可能な制限値に達した場合に最も古いイベントを削除して新しいイベントのための領域を確保し、データベースを環状バッファーとして使用します。環状バッファーの方法は、Windows イベント トレーシング (ETW) を含む多くのログ記録機能で採用されています。自動削除機能がない場合、管理者はデータベースに搭載のデータベース削除およびアーカイブ化機能を定期的に使用して、データベースが大きくなりすぎてディスク上の領域を消費し過ぎないようにする必要があります。手動での削除およびアーカイブ化についての詳細は、「ダイアログ ボックスのアーカイブと削除」を参照してください。
自動データベース削除機能は、構成可能なサイズのしきい値に達した場合、またはイベントが構成可能な期間を超えてデータベースに格納されている場合に、古いイベントの一部を削除する場合に役立ちます。これらの値のどちらかを構成すると、ディスク領域の管理にたいへん役立ちます。自動削除はディスク上の記憶域を解放し、新しい監視イベントを格納できるようにします。既定では AppFabric ユーザーは、最近の 1.5 GB (既定サイズ) の監視データに常にアクセスできます。また、データを消費するユーザーは、データベース内の操作テーブルに照会して、いつ削除の操作が発生するか確認できます。
自動削除の構成
自動削除の操作は、セットアップ中に AppFabric が ApplicationServerMonitoring データベースを初期化する場合にインストールする SQL Server により駆動されます。ストアド プロシージャは一定の間隔で実行され、ユーザーが Dbo.ConfigurationPropertiesTable テーブルで構成する値を読み取って自動削除操作のロジックを駆動します。AppFabric 内にはこのテーブルを構成するユーザー インターフェイスはありません。SQL Server Management Studio を使用して、次の表に示される値をデータベースの削除要件に適すると思われる設定に直接変更することができます。
列名 | 列の種類 | 既定値 | 説明 |
---|---|---|---|
ArchiveServer |
Nvarchar(128) |
NULL |
監視データベースをホストしている SQL サーバーの名前。このデータベースを使用して監視データをアーカイブします。 |
ArchiveDatabase |
Nvarchar(128) |
NULL |
監視データベースの名前。このデータベースを使用して監視データをアーカイブします。 |
APEnabled |
bit |
1 |
監視データの自動削除を有効または無効にします。1 に設定すると、データベースはもう 1 つの自動削除構成プロパティに基づいてデータを自動的に削除します。 |
APThreshold |
int |
1500 |
このプロパティは、APEnabled が 1 に設定されている場合にのみ読み取られます。データベースのサイズがこのしきい値 (メガバイトによる概算値) を超えると自動削除が実行され、APTrimPercentage 構成プロパティに従って監視データが削除されます。 |
APMaxEventAge |
float |
NULL |
このプロパティは、APEnabled が 1 に設定されている場合にのみ読み取られます。データベース内の、このプロパティの値 (日数) より古い監視イベントはすべて削除されます。 |
APTrimPercentage |
int |
10 |
このプロパティは、APEnabled が 1 に設定されている場合にのみ読み取られます。APThreshold 削除機能が動作すると、最も古い監視データの約 APTrimPercantage % が削除され、新しいデータのための領域が空けられます。既定の値は 10% です。 |
削除条件を満たす場合には最も古いイベントが削除され、ストアド プロシージャがトリガーされます。通常の呼び出し中にストアド プロシージャが、特定の監視データベースのディスク上のサイズが APThreshold の値を超えていることを確認した場合、最も古いデータベース エントリの一部 (APTrimPercentage の値の割合) は、最新のエントリで上書きされます。また、通常の呼び出し中にストアド プロシージャが APMaxEventAge より古いイベントを見つけた場合、これらのイベントは削除されます。
ヒント
データベースの現在のサイズおよび削除するデータの容量はどちらも、構成プロパティに基づいて概算されます。AppFabric は、データベース内の最も古いイベントの "約" X% を削除します。データベース サイズの実際の制限値は、ハードウェアおよびイベントのスループットに基づいて変化する場合があります。
ヒント
AppFabric 自動データベース削除機能は、監視データベースの格納に Microsoft SQL Server を使用するよう構成された AppFabric のインストールでのみ使用できます。また、監視データベースは、自動削除機能を使用できる唯一の AppFabric データベースです。永続化データベースと共に使用するように構成することはできません。
関連項目
概念
2011-12-05