ASP.NET トレース
ASP.NET では、ページやアプリケーションで有効にするだけで、ASP.NET ページに対する単一の要求に関する診断情報を表示できる機能が追加されました。トレースと呼ばれるこの機能によって、デバッグ ステートメントをコードに直接記述することもでき、実行サーバーへの配置時にアプリケーションからデバッグ ステートメントを削除する必要はありません。トレースを使用すると、ページに変数や構造体を記述する、条件に一致しているかどうかをアサートする、ページまたはアプリケーションの実行パスを単純にトレースすることができます。
メッセージやその他のトレース情報を収集して表示するには、ページまたはアプリケーションに対してトレースを有効にする必要があります。トレースを有効にすると、次の 2 つの処理が行われます。
- ページの出力直後に、一連の診断情報テーブルが追加されます。この情報は、トレース ビューア アプリケーションにも送信されます (アプリケーションに対してトレースを有効にした場合)。
- 追加されたパフォーマンス データの [トレース情報] テーブルに、カスタム診断メッセージが表示されます。
指定した診断情報とトレース メッセージは、要求元ブラウザに送信されるページの出力に追加されます。この情報は、トレース ビューア (Trace.axd) で別のウィンドウとして表示することもできます。トレース ビューアには、特定のアプリケーションの各ページのトレース情報が表示されます。この情報は、ASP.NET によるページ要求の処理中にエラーや望ましくない結果が発生したとき、その原因を特定するために役立ちます。
トレース ステートメントは、トレースが有効な場合にだけ処理されて表示されます。トレース情報は、ページ、トレース ビューア、またはその両方に表示されるように制御できます。
このセクションの内容
- ページのトレースの有効化
ページのトレースを有効にする方法、ページ出力にトレース ステートメントを含める方法、およびトレース メッセージを解釈する方法について説明します。 - トレース メッセージの書き込み
TraceContext.Write メソッドと TraceContext.Warn メソッドを使用してトレース ログにステートメントを書き込む方法を説明します。 - アプリケーション レベルのトレースの有効化
ASP.NET 構成システムを使用して、アプリケーション全体のトレースを有効にする方法を説明します。また、Web ブラウザからアクセスできる HTTP モジュールであるトレース ビューアの使用方法についても説明します。 - トレースの情報の読み取り
ページまたはトレース ビューアに追加されたトレース情報から得られる情報について説明します。
関連項目
- ASP.NET Web アプリケーションの作成
ASP.NET の機能について説明し、それらの機能を利用したプログラミングで何が実現できるかを概説します。 - TraceContext クラス
Web 要求の実行に関する詳細情報をキャプチャして提供します。