インターネット環境のパフォーマンスと容量の要件を予測する (Office SharePoint Server)
この記事の内容 :
主要特性
テスト環境
使用法プロファイル
推奨事項
このパフォーマンスおよび容量の計画のシナリオには、エンタープライズ環境におけるインターネット ポータル プレゼンスに使用される単一の Microsoft Office SharePoint Server 2007 ファームが組み込まれています。
主要特性
主要特性とは、環境要因、使用状況の特徴、およびこのシナリオに基づく展開で一般的なその他の考慮事項のことを表します。
このシナリオの主要特性は次のとおりです。
**アクセス許可 **通常、インターネット用のポータル環境では、ほとんどのユーザーが利用できるリソースに対するユーザー認証やアクセス許可は必要ありません。ただし、ユーザーが Web サイトの特定の部分にアクセスするために、認証が必要となる場面もあります。ここでは、完全な匿名環境、NTLM を使用してすべてのユーザーが認証される環境、およびユーザーの 80% が匿名ユーザーであり、20% が NTLM を使用して認証される環境向けのデータを示します。
**ユーザー操作 **この環境におけるユーザー操作は、すべてサイトへの読み取りアクセスです。これらの操作には、Web ページの読み取り、サイトの移動、および情報の検索が含まれます。
時間の経過に伴うデータの増大とサイトの成長 Office SharePoint Server 2007 インターネット ポータル環境は、初期のデータ量を予測したうえで、時間の経過に伴うデータの増大やサイトの成長にも対応できるようにする必要があります。初期のデータ量だけを考慮して規模を設定したサーバー ファームは、すぐに容量不足に陥る可能性があります。
ユーザー応答時間 各種操作 (一般的な操作、一般的でない操作、長時間の操作、まれにしか実行されない操作) の目標ユーザー応答時間は、記事「ソフトウェア境界を計画する (Office SharePoint Server)」の末尾にある表「ユーザー応答時間」に記載されています。ユーザー応答時間の許容範囲は組織によって異なります。予想されるユーザー応答時間は、全体的なスループット目標を左右する重要な要素です。(スループットは、サーバー ファームが 1 秒あたりに処理できる要求の数と定義されています)。多数のユーザーを抱えている場合は、より高いスループット目標を設定し、応答時間を均一化する必要があります。
ユーザーによる同時実行 特定のインターネット環境におけるユーザーの同時実行率は、多数の要素に左右されます。このテストにおける同時実行ユーザーの最大数は 270 人です。
長時間行われる非同期タスク コンテンツのインデックス作成、サードパーティ サイトの検索、データベースのバックアップなどのタスクは、サーバー ファームのスループットに影響を及ぼす可能性があります。トポロジの例における一般的なパフォーマンス特性は、ファーム管理者の開始する長時間実行タスクが夜間などのオフピーク時に行われることを前提にしたものです。ただし、インターネット ポータル環境では、サードパーティ サイトの検索とクロールは随時行われる可能性があります。
**キャッシュ ヒット率 **このドキュメントでは、キャッシュ ヒット率は約 99% であると想定しています。
テスト環境
このシナリオのテストは、インターネット ポータル環境において Office SharePoint Server 2007 がどのように動作するかを予測できるようにするためのものです。
テスト結果からは特定の結論を導き出すことはできますが、この記事で示す特定の容量やパフォーマンスの数値は、実際の環境の数値とは異なります。ここに示す数値は、あくまで適切な規模の環境を設計するための手掛かりにすぎません。最初のシステム設計が完了したら、構成をテストし、そのシステムで各自の環境に固有の要素をサポートできるかどうかを確認してください。
このテストは、SharePoint 2007 Test Data Population Tool と利用可能なテスト データを使用して行いました。このテストで使用した SharePoint 2007 Test Data Population Tool およびテスト データは、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=92678&clcid=0x411 (英語) からダウンロードできます。
展開のテスト方法の詳細については、「パフォーマンスと容量を計画するためのツール (Office SharePoint Server)」を参照してください。
前提
64 ビット アーキテクチャ このテスト環境では、64 ビット サーバーだけが使用されています。Office SharePoint Server 2007 は 32 ビット サーバー上でも展開できますが、Office SharePoint Server 2007 ファームを展開する場合は 64 ビット サーバーを採用することをお勧めします。詳細については、記事「パフォーマンスと容量の計画について (Office SharePoint Server)」の「64 ビット版と 32 ビット版」セクションを参照してください。
ディスク ベースのキャッシュの有効化ディスク ベースのキャッシュにより、コード フラグメントや、イメージ、サウンド、ビデオなどのサイズの大きなバイナリ ファイルを取得するためにデータベースに何度もアクセスする必要がなくなります。ディスク ベースのキャッシュを有効にすると、展開全体にわたるパフォーマンスが改善されます。既定では、ディスク ベースのキャッシュは有効になっていません。ディスク ベースのキャッシュを有効化する方法の詳細については、「バイナリ ラージ オブジェクトのディスク ベースのキャッシュ」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=82617&clcid=0x411) を参照してください。
ラボのトポロジ
詳細なテスト結果を提供するため、2 つのファーム構成 (単一のインデックス サーバーおよび Microsoft SQL Server 2005 データベース ソフトウェアの実行されている単一のデータベース サーバーと、2 ~ 4 台の Web サーバー) をテストに使用しました。また、最大 270 の同時ユーザー接続をシミュレートする 27 台のクライアント コンピュータを使用しました。サーバー コンピュータはすべて 64 ビット コンピュータであり、クライアント コンピュータは 32 ビット コンピュータです。
次の表に、テストに使用した具体的なハードウェアを示します。
コンピュータのロール | ハードウェア |
---|---|
Web サーバー |
2 つのデュアルコア Intel Xeon 2.8 GHz プロセッサ 8 GB RAM |
インデックス サーバー |
4 つのデュアルコア Intel Xeon 2.8 GHz プロセッサ 32 GB RAM |
データベース サーバー |
4 つのデュアルコア Intel Xeon 2.8 GHz プロセッサ 32 GB RAM |
クライアント コンピュータ |
1 つの Pentium 4 3.2 GHz プロセッサ 1 GB RAM |
このテスト環境では、ギガビット (1,000,000,000 bps) ネットワークを使用しました。十分なネットワーク帯域幅を確保するために、Office SharePoint Server ファーム内のサーバー間ではギガビット ネットワークを使用することをお勧めします。
ソフトウェア
次の表に、このテストに使用したサーバーにインストールしたソフトウェアを示します。
重要
この記事のテスト結果は、テストを行う前にインストールした Office SharePoint Server 2007 のソフトウェア更新プログラムに依存しています。このソフトウェア更新プログラムにより、バイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) キャッシュを使用するファームにおいて、特定の状況下でパフォーマンスの低下を招く Office SharePoint Server 2007 の問題が解決されます。各自の環境で BLOB キャッシュを使用することを計画している場合は、このソフトウェア更新プログラムをインストールし、ファームのパフォーマンスを最大限高める必要があります。このソフトウェア更新プログラムの詳細については、「SharePoint サーバー 2007 のと SharePoint サーバー 2007 の SharePoint サーバー 2007 ホットフィックス パッケージの検索の説明: 2007 年 6 月 24 日」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=98352&clcid=0x411) を参照してください。
コンピュータのロール | ソフトウェア |
---|---|
Web サーバー |
Microsoft Windows Server 2003, Enterprise Edition Service Pack 1 (SP1) オペレーティング システム (最新の更新プログラムを適用済み) Microsoft Office SharePoint Server 2007 x64 Microsoft .NET Framework Version 2.0 64 ビット バージョン向けの .NET Framework 用ソフトウェア更新プログラム (KB923197) .NET Framework 用 ソフトウェア更新プログラム (KB925613) Windows Workflow Foundation |
インデックス サーバー |
Windows Server 2003, Standard x64 Edition SP 1 (最新の更新プログラムを適用済み) Office SharePoint Server 2007 x64 .NET Framework Version 2.0 x64 64 ビット バージョン向けの .NET Framework 用ソフトウェア更新プログラム (KB923197) .NET Framework 用 ソフトウェア更新プログラム (KB925613) Windows Workflow Foundation |
データベース サーバー |
Windows Server 2003, Enterprise x64 Edition SP 1 (最新の更新プログラムを適用済み) Microsoft SQL Server 2005 (64 ビット) データベース ソフトウェア .NET Framework Version 2.0 x64 64 ビット バージョン向けの .NET Framework 用ソフトウェア更新プログラム (KB923197) .NET Framework 用 ソフトウェア更新プログラム (KB925613) Windows Workflow Foundation |
クライアント コンピュータ |
Microsoft Internet Explorer 6 SP 1 (バージョン 6.0.3790.1830) |
使用法プロファイル
ここでは、テスト プロセス中に使用した使用シナリオ、ページ リソース、およびキャッシュの設定を示します。
使用シナリオ
テスト ファームのスループットをテストするため、次の使用シナリオを並行して使用しました。各テストは、このセクションの後ろの表に応じた 3 つのシナリオを組み合わせて構成されています。使用したサイトはランダムですが、キャッシュされたページが多数ヒットするように、これらのサイトは限られたサイト セットに限定されています。イメージを含むページのイメージのサイズは、最大で 15 KB です。
シナリオ 1
ユーザーがルート サイトのウェルカム ページに移動します。
ユーザーがランダムなサイトに移動します。
ユーザーが、ランダムなサイトの 3 つのイメージを含む記事ページに移動します。
シナリオ 2
ユーザーがランダムなサイトに移動します。
ユーザーが、ランダムなサイトの 3 つのイメージを含む記事ページに移動します。
ユーザーが別のランダムなサイトに移動します。
ユーザーが、ランダムなサイトの 3 つのイメージを含む記事ページに移動します。これは、前のページとは別のページです。
シナリオ 3
ユーザーがルート サイトのウェルカム ページに移動します。
ユーザーが検索クエリを実行します。
ユーザーが、ランダムなサイトの 3 つのイメージを含む記事ページに移動します。
次の表に、テスト環境において、記載した各シナリオにより消費されるスループットの割合を示します。バックグラウンド要求によりごくわずかなスループットが使用されましたが、これはパフォーマンス上考慮する必要はありません。
シナリオ | スループットの割合 |
---|---|
シナリオ 1 |
47.5 |
シナリオ 2 |
47.5 |
シナリオ 3 |
5 |
次の表に、テスト中のデータベース コンテンツ、インデックス、およびキャッシュのサイズを示します。
リソース | サイズ |
---|---|
コンテンツ データベース |
56.6 GB |
コンテンツ データベース内のアイテムの数 |
|
インデックス |
2.88 GB |
インデックスのアイテムの数 |
698,692 |
BLOB キャッシュ |
10 GB |
オブジェクト キャッシュ |
512 MB |
ページ リソース
テストに使用したウェルカム ページには、次のリソースが含まれています。
1 つの HTML フィールド コントロール
2 つのイメージ フィールド コントロール
1 つの TOC Web パーツ
1 つの概要リンク Web パーツ
キャッシュの設定
次の表に、匿名ユーザーによる操作のテスト中に使用した出力キャッシュの設定を示します。
パラメータ | 値 |
---|---|
ACL チェックを実行する |
オフ |
有効 |
オン |
期間 |
3,600 |
変更を確認する |
オフ |
ユーザー権限ごとにキャッシュ |
オフ |
キャッシュ可能 |
Public |
認証された使用に対して安全を確保する |
オン |
キャッシュされたコンテンツを編集時に表示する |
オフ |
次の表に、認証されたユーザーによる操作のテスト中に使用した出力キャッシュの設定を示します。
パラメータ | 値 |
---|---|
ACL チェックを実行する |
オン |
有効 |
オン |
期間 |
3,600 |
変更を確認する |
オフ |
ユーザー権限ごとにキャッシュ |
オン |
キャッシュ可能 |
ServerAndPrivate |
認証された使用に対して安全を確保する |
オン |
キャッシュされたコンテンツを編集時に表示する |
オン |
次の表に、テスト中に使用したオブジェクト キャッシュの設定を示します。これらの設定は、サイト コレクションの個別のサイトの [サイトの設定] にある、[オブジェクト キャッシュの設定] ページの設定に対応しています。
セクション | パラメータ | 値 |
---|---|---|
オブジェクト キャッシュ サイズ |
最大キャッシュ サイズ (MB) |
512 MB |
オブジェクト キャッシュのリセット |
|
オフ |
|
|
オフ |
ディスク ベースのキャッシュのリセット |
このサーバーでディスク ベースのキャッシュのリセットを強制する |
オフ |
クロス リスト クエリのキャッシュの変更 |
クロス リスト クエリを実行するたびにサーバー上の変更を確認する |
オフ |
クロス リスト クエリのキャッシュの変更 |
キャッシュされたクロス リスト クエリの結果を一定時間使用する |
オン : 3600 |
クロス リスト クエリの結果の乗数 |
クロス リスト クエリの乗数 |
3 |
次のコード文字列により、テスト中に使用した BLOB キャッシュの設定が定義されます。このコード文字列は、Web アプリケーションの Web.config ファイルに含まれます。各自のサーバーの Web.config ファイルで使用するためにこのコードをコピーする場合は、<drive_letter>
を、BLOB キャッシュを格納する予定のサーバーのハード ディスク ドライブに対応するドライブ文字に置き換えてください。
<BlobCache location="<drive_letter>:\blobCache" path="\.(gif|jpg|png|css|js)$" maxSize="10" enabled="true" />
推奨事項
ここでは、パフォーマンスと容量に関する一般的な推奨事項を説明します。これらの推奨事項を参照し、「冗長性を計画する (Office SharePoint Server)」で作成した開始トポロジの容量とパフォーマンスの特性を把握してください。また、開始トポロジをスケール アウトまたはスケール アップする必要があるかどうかも確認してください。
ハードウェアに関する推奨事項
次の表に、Web サーバー、インデックス サーバー、およびデータベース サーバーの推奨ハードウェアの一覧を示します。Office SharePoint Server 2007 のシステムの最小要件と推奨要件の詳細については、「ハードウェアおよびソフトウェアの要件を決定する (Office SharePoint Server)」を参照してください。インターネット環境向けのディスク容量の要件の予測に関する詳細については、この記事の後ろの「ディスク容量の要件を予測する」を参照してください。
注意
Web サーバー、インデックス サーバー、およびデータベース サーバーのメモリの要件は、ファームのサイズ、同時実行ユーザーの数、およびファームにおける機能やページの複雑さによって変わります。メモリの使用状況は慎重に監視し、メモリを追加する必要があるかどうかを見極める必要があります。
注意
この表は、実際の環境の要件をより正確に反映するように更新されました。
コンピュータのロール | 推奨ハードウェア |
---|---|
Web サーバー |
2.5 GHz 以上のプロセッサ 4 個 (3 GHz 以上を推奨) 16 GB の RAM (最小推奨値) 3 GB の空きディスク領域 ローカルで、またはネットワークからアクセス可能な DVD ドライブ 解像度が 1024 x 768 以上のモニタ |
インデックス サーバー |
2.5 GHz 以上のデュアルコア プロセッサ (3 GHz 以上を推奨) 4 GB の RAM (最小推奨値) 3 GB の空きディスク領域 ローカルで、またはネットワークからアクセス可能な DVD ドライブ 解像度が 1024 x 768 以上のモニタ |
データベース サーバー |
2.5 GHz 以上のデュアルコア プロセッサ (3 GHz 以上を推奨) 4 GB の RAM (最小推奨値) ディスク容量の要件については、この記事の後ろのセクションを参照してください。 ローカルで、またはネットワークからアクセス可能な DVD ドライブ 解像度が 1024 x 768 以上のモニタ |
開始点のスケールアウトしたトポロジ
「冗長性を計画する (Office SharePoint Server)」で説明されている開始点トポロジと各自のトポロジを比較することで、各自の開始点トポロジのパフォーマンスを予測できます。この作業を行えば、パフォーマンスや容量の目標に合わせて開始点トポロジの規模を変更する必要があるかどうかを簡単に判断できます。
いずれかの開始点トポロジの容量を増やし、パフォーマンスを向上させるには、より多くの容量を備えたサーバー コンピュータを実装してスケール アップするか、トポロジにサーバーを追加してスケール アウトします。ここでは、スケール アウトしたいくつかのトポロジの一般的なパフォーマンス特性について説明します。トポロジの例で、インターネット ポータル環境向けのトポロジを拡大する場合の一般的な方法を示します。これには、次のような方法が含まれます。
ユーザー負荷の増大に対応するには、Web サーバー コンピュータを追加します。
データ負荷の増大に対応するには、単一の (クラスタ化またはミラー化された) サーバーの容量を増やす、32 ビット サーバーから 64 ビット サーバーにアップグレードする、クラスタ化またはミラー化されたサーバーを追加するなどの方法でデータベース サーバー ロールの容量を増やします。
1 台の (クラスタ化またはミラー化された) データベース サーバー コンピュータにつき 8 台までの Web サーバー コンピュータという比率を維持します。このドキュメント向けにテストした Web サーバーとデータベース サーバーの最大比率は 4 x 1 (4 台の Web サーバー対 1 台のデータベース サーバー) ですが、各自の環境でより多くの Web サーバーや、より堅牢なハードウェアを展開すれば、結果がさらによくなる可能性があります。
スループット目標を推定する
スループットは、サーバー ファームが 1 秒あたりに実行できる操作の数を表します。スループットの測定単位は、秒あたりの要求 (RPS) です。ここでは、フロントエンド Web サーバーとユーザー接続の数を増やした場合のファームのスループットを表すテスト データを示します。
スループットは、いくつかの要素の影響を受けます。それらの要素には、ユーザーの数、ユーザー操作の複雑さと頻度、キャッシュ、およびページと Web パーツのカスタマイズが含まれます。これらの要素のそれぞれがファームのスループットに大きな影響を及ぼす可能性があります。展開の計画時には、これらの各要素を慎重に考慮してください。
Office SharePoint Server 2007 は多様な方法で展開および構成できるため、特定の数のサーバーで何人のユーザーをサポートできるのかを簡単に推定することはできません。そのため、運用環境で Office SharePoint Server 2007 を展開する前に、必ず各自の環境でテストを行ってください。
一般に、インターネット ポータル環境ではオブジェクト キャッシュと BLOB キャッシュを有効にする必要があります。完全な匿名認証を使用する環境では、キャッシュを有効にすることで、複数の要素によりファームのパフォーマンスが改善されます。Office SharePoint Server 2007 でのキャッシュの詳細については、「カスタム キャッシュの概要」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=82618&clcid=0x411) と、「パフォーマンスと容量の計画に影響を与えるその他の要因 (Office SharePoint Server)」の「キャッシュ」セクションを参照してください。
重要
この記事のテスト結果は、テストを行う前にインストールした Office SharePoint Server 2007 のソフトウェア更新プログラムに依存しています。このソフトウェア更新プログラムにより、バイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) キャッシュを使用するファームにおいて、特定の状況下でパフォーマンスの低下を招く Office SharePoint Server 2007 の問題が解決されます。各自の環境で BLOB キャッシュを使用することを計画している場合は、このソフトウェア更新プログラムをインストールし、ファームのパフォーマンスを最大にする必要があります。このソフトウェア更新プログラムの詳細については、「SharePoint サーバー 2007 のと SharePoint サーバー 2007 の SharePoint サーバー 2007 ホットフィックス パッケージの検索の説明: 2007 年 6 月 24 日」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=98352&clcid=0x411) を参照してください。
既に組織にインターネット ポータル ソリューションが導入されている場合は、Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) ログを確認して、現在の環境における使用のパターンと傾向を特定できます。IIS ログの解析方法の詳細については、「Analyzing Log Files (IIS 6.0) (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78825&clcid=0x411) を参照してください。
組織で新しいインターネット ポータル ソリューションを計画している場合は、このセクションの情報を参照して使用パターンを予測してください。
テスト結果
このセクションの表には、読み取り専用のユーザー操作についてのテスト結果を示します。テストには、この記事の前のセクション「テスト環境」に記載したハードウェアを使用しています。各ファーム構成では、1 台のインデックス サーバーと 1 台のデータベース サーバーと共にいくつかの Web サーバーが使用され、テストされています。したがって、2 x 1 x 1 のファーム構成は、2 台の Web サーバー x 1 台のインデックス サーバー x 1 台のデータベース サーバーを表します。アプリケーション サーバーやデータベース サーバーが複数含まれるファームではテストを行っていません。また、単一サーバー展開に対してもテストを行っていません。
テストは、次の 3 種類の認証シナリオを使用して行いました。
認証の使用されなかった匿名環境。
すべてのユーザー接続に対して NTLM 認証が使用された環境。
ユーザー接続の 80% が匿名であり、20% が NTLM を使用して認証された環境。
テスト中におけるページあたりの要求の平均数は 4 です。したがって、秒あたりのページ (PPS) に対する秒あたりの要求 (RPS) の割合は、 r=(p*4)+x で計算できます。r は RPS を、p は PPS を、x は検索クエリまたは非キャッシュ ページの要求などのバックグラウンド要求を表します。
ページあたりの要求の数とリソースの読み込みに要する時間は、ページの複雑さ、各ページ リソースによって呼び出される二次的なリソースの数、およびその他多数の要素によって大きく変わる可能性があります。そのため、ページあたりのリソースの数のみを基に計算したパフォーマンスの推定値は、完全に正確ではありません。
これらのテスト結果は、短いウォームアップ期間を置いてファームのパフォーマンスを安定させてから収集しました。
次の表に、読み取り専用のユーザー操作の場合のテスト結果を示します。各テストは、この記事の「使用法プロファイル」セクションで説明した使用シナリオを組み合わせて使用したうえで行いました。
完全な匿名環境
次の表に、すべてのユーザー接続が匿名であった環境についてのテスト結果を示します。
ファーム サイズ | スループット (RPS) | PPS | 秒あたりの検索クエリ | その他の要求 (RPS) |
---|---|---|---|---|
2 x 1 x 1 |
2,927 |
717 |
12 |
2.54 |
4 x 1 x 1 |
5,612 |
1,388 |
22 |
3.47 |
NTLM 認証が行われた環境
次の表に、すべてのユーザー接続が NTLM を使用して認証された環境についてのテスト結果を示します。
ファームのサイズ | スループット (RPS) | PPS | 秒あたりの検索クエリ | その他の要求 (RPS) |
---|---|---|---|---|
2 x 1 x 1 |
632 |
152.6 |
2.8 |
0.33 |
4 x 1 x 1 |
1,304 |
328.6 |
5.3 |
0.31 |
80% が匿名であり、20% に NTLM 認証が行われた環境
次の表に、ユーザー接続の 80% が匿名であり、20% が NTLM を使用して認証された環境についてのテスト結果を示します。
ファーム サイズ | スループット (RPS) | PPS | 秒あたりの検索クエリ | その他の要求 (RPS) |
---|---|---|---|---|
2 x 1 x 1 |
1,945 |
481.8 |
8.4 |
1.95 |
4 x 1 x 1 |
2,946 |
731.8 |
11.9 |
1.3 |
ディスク容量の要件を予測する
ここでは、インターネット ポータル環境向けのディスク容量要件の予測に役立つ表を示します。ハードウェアのディスク容量の要件は、サーバー ロールやシナリオによって大きく変わります。また、コンテンツ データベースに格納されるデータ、キャッシュの要件、検索でクロールされる外部コンテンツにも左右されます。可能な個所には、予測できるディスク容量の要件に基づき、数値が数式に当てはめられています (インストール ファイルのサイズなど)。
まず、サーバー ロールごとのディスク容量の要件を予測します。次に、計画済みのトポロジに同じ物理的なサーバー コンピュータを共有するサーバー ロールがある場合は、それらのロールのディスク容量の要件を合計します。最後に、ハードウェアがディスク容量の要件を満たしていることを確認します。
さらに、SQL Server ストレージについてのベスト プラクティスをデータベース サーバーにも適用する必要があります。詳細については、「Physical Database Storage Design (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78853&clcid=0x411) を参照してください。複数のデータベース サーバーを実装する場合は、各検索サーバーに SQL のディスク容量の要素を別々に適用してください。
注意
オペレーティング システム ファイルとプログラム ファイルは、データ ファイルとは別に、個別のドライブか RAID (Redundant Array of Independent Disks) に格納する必要があります。
データベース サーバーのディスク容量の要件
次の表を利用して、ファーム内のデータベース サーバーのディスク容量要件を計算してください。複数のデータベース サーバーを実装する場合は、データベース サーバーごとにその合計を計算してください。
カテゴリ | 説明 | 容量 |
---|---|---|
オペレーティング システム ファイル |
Windows Server 2003 のセットアップとシステム ファイルに必要なディスク容量。詳細については、「インストール先パーティションのファイル システムを選択する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78866&clcid=0x411) を参照してください。 |
4 GB |
スワップ ファイル |
既定では、ページング ファイルのサイズは物理メモリのサイズと同じになります。 |
|
SQL Server のインストール ファイル |
SQL Server のセットアップとプログラム ファイルに必要なディスク容量。詳細については、「SQL Server 2005 Standard Edition システム要件」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78870&clcid=0x411) を参照してください。 |
425 MB |
データベース ログ ファイル |
ログ ファイル用のディスク容量は、ログ設定やデータベースの数によって異なります。詳細については、「Physical Database Storage Design (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78853&clcid=0x411) を参照してください。 |
|
構成データベース |
通常、構成データベースのサイズはこれ以上大きくなりません。これはハード的な制限値ではなく、最大サイズの予測値です。 |
1.5 GB |
コンテンツ データベース |
コンテンツ データベースに保存されるコンテンツの初期の量を予測してください。次の要素も考慮してください。
|
|
将来的なデータの増加 |
データ量は、当初展開することを予定した量の 2 倍になると考えておく必要があります。環境に合った数値を入力してください。 |
|
空き容量 |
各ハード ディスクやボリュームに少なくとも 25% の空き容量を残します。 |
|
合計 |
インデックス サーバーのディスク容量の要件
次の表を利用して、ファーム内のインデックス サーバーのディスク容量要件を計算してください。複数の Office SharePoint Server 2007 インデックス サーバーを実装する場合は、各サーバーごとにその合計を計算してください。
カテゴリ | 説明 | 容量 |
---|---|---|
オペレーティング システム ファイル |
Windows Server 2003 のセットアップとシステム ファイルに必要なディスク容量。詳細については、「インストール先パーティションのファイル システムを選択する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78866&clcid=0x411) を参照してください。 |
4 GB |
ページング ファイル |
既定では、ページング ファイルのサイズは物理メモリのサイズと同じになります。 |
|
Office SharePoint Server 2007 インストール ファイル |
これは、Office SharePoint Server 2007 のすべてのエディションの完全インストール時におけるおおよそのサイズです。 |
1.3 GB |
Microsoft .NET Framework Version 3.0 |
60 MB |
|
コンテンツ インデックス |
インデックス サーバーによりインデックス付けされるコンテンツ データベースのコンテンツの量を追加してください。計算した値の 30% が、コンテンツ インデックスの推定最大サイズとなります。 |
|
空き容量 |
各ハード ディスクやボリュームに少なくとも 25% の空き容量を残します。 |
|
合計 |
Web サーバーのディスク容量の要件
次の表を利用して、ファーム内の各 Web サーバーのディスク容量要件を計算してください。
カテゴリ | 説明 | 容量 |
---|---|---|
オペレーティング システム ファイル |
Windows Server 2003 のセットアップとシステム ファイルに必要なディスク容量。詳細については、「インストール先パーティションのファイル システムを選択する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78866&clcid=0x411) を参照してください。 |
4 GB |
スワップ ファイル |
既定では、ページング ファイルのサイズは物理メモリのサイズと同じになります。 |
|
Office SharePoint Server 2007 インストール ファイル |
1.3 GB |
|
.NET Framework Version 3.0 |
60 MB |
|
空き容量 |
各ハード ディスクやボリュームに少なくとも 25% の空き容量を残します。 |
|
合計 |
パフォーマンスの監視
システムのスケール アップやスケール アウトを行うべき時期を見極められるように、パフォーマンス カウンタを使用してシステムの正常性を監視してください。次の表の情報を参照して、監視に使用するパフォーマンス カウンタと、その適用対象のプロセスを特定してください。
Web サーバーおよびインデックス サーバー
次の表に、パフォーマンス カウンタと、ファーム内の Web サーバーおよびインデックス サーバーにおける監視対象のプロセスを示します。
パフォーマンス カウンタ | 適用対象のプロセス | メモ |
---|---|---|
Processor time |
全体 |
このスレッドがプロセッサを使用して命令を実行するのに費やした時間の割合を表示します。 |
Memory utilization |
アプリケーション プール |
アプリケーション プールのシステム メモリの平均使用率を表示します。監視対象のアプリケーション プールを特定する必要があります。 所定の Web アプリケーションのピーク時のメモリ使用率を特定し、その数値に 10 を加えた値を関連のアプリケーション プールに割り当てるのが基本です。 |
データベース サーバー
次の表に、パフォーマンス カウンタと、ファーム内のデータベース サーバーにおける監視対象のプロセスを示します。
パフォーマンス カウンタ | 適用対象のプロセス | メモ |
---|---|---|
Processor time |
全体 |
このスレッドがプロセッサを使用して命令を実行するのに費やした時間の割合を表示します。 |
Memory utilization |
全体 |
システム メモリの平均使用率を表示します。 |
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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。
入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。
関連項目
概念
パフォーマンスと容量の計画に影響を与えるその他の要因 (Office SharePoint Server)