統合開発環境のクイック ツアー
このトピックでは、Visual Studio に含まれているアプリケーション開発の機能およびツールについて、その多くを簡単に紹介します。
統合開発環境
Visual Studio 製品ファミリでは、単一の統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) を共有しています。この IDE は、メニュー バー、[標準] ツール バー、左、下または右にドッキングまたは自動的に非表示になる各種ツール ウィンドウ、エディター領域など、複数の要素で構成されます。 利用できるツール ウィンドウ、メニュー、およびツール バーは、作業しているプロジェクトまたはファイルの種類によって異なります。
図 1 : 一般的な開発設定が適用された IDE
ツール ウィンドウなどの IDE 内の要素の配置は、適用した設定とその後に加えたカスタマイズ内容によって異なります。 設定を変更するには、設定のインポートとエクスポート ウィザードを使用します。 [すべての設定をリセット] をクリックすることで、既定のプログラミング言語を変更できます。
視覚的なガイドのひし形を使用してウィンドウの移動およびドッキングしたり、または [自動的に隠す] を使用して一時的にウィンドウを非表示にしたりすることは、簡単に行うことができます。 詳細については、「方法 : ウィンドウを整列およびドッキングする」を参照してください。
Visual Studio オートメーション モデルを使用して、IDE を自動化し拡張できます。 詳細については、「開発環境のカスタマイズ、オートメーション、および拡張」を参照してください。
プロジェクト システム
ソリューションとプロジェクトには、アプリケーションの作成に必要な参照、データ接続、フォルダー、およびファイルを表す項目が含まれています。 ソリューション コンテナーには、複数のプロジェクトを含めることができます。プロジェクト コンテナーには、通常、複数の項目が含まれます。 詳細については、「コンテナーとしてのソリューション」および「コンテナーとしてのプロジェクト」を参照してください。
ソリューション エクスプローラには、ソリューション、それらのプロジェクト、そのプロジェクト内の項目が表示されます。 ソリューション エクスプローラーを使用すると、編集するファイルを開く、プロジェクトに新規ファイルを追加する、ソリューション、プロジェクト、および項目のプロパティを表示するなどの操作を実行できます。
図 2 : ソリューション エクスプローラー
詳細については、「ソリューション エクスプローラーの使用」および「方法 : ソリューションおよびプロジェクトを作成する」を参照してください。
エディターとデザイナー
使用するエディターとデザイナーは、作成しているファイルまたはドキュメントの種類によって異なります。 テキスト エディターは、IDE の基本的なワード プロセッサで、コード エディターは基本的なソース コード エディターです。
CSS エディター、HTML デザイナー、Web ページ デザイナーなどのその他のエディターは、コード エディターにある多くの機能を共有しており、サポートされるコードやマークアップの種類に固有の機能拡張がなされています。
エディターとデザイナーには、通常、グラフィカル デザイン ビューと分離コード ビュー (ソース ビュー) という 2 つのビューがあります。 デザイン ビューを使用すると、ユーザー インターフェイスや Web ページ上のコントロールなどの項目の位置を指定できます。 ツールボックスからコントロールをドラッグして、デザイン サーフェイスに配置できます。
図 3 : Web ページ デザイナーのデザイン ビュー
ソース ビューには、ファイルまたはドキュメントのソース コードが表示されます。 このビューでは、IntelliSense、折りたたみ可能なコード セクション、リファクタリング (C#)、コード スニペット挿入などのコーディング補助機能を利用できます。 ワード ラップ、ブックマーク、行番号表示などの機能もあります。 詳細については、「エディターの便利なコマンドおよび機能」を参照してください。
図 4 : Web ページ デザイナーのソース ビュー
Web ページ デザイナーや XAML デザイナーなど一部のエディターには、ファイルのグラフィカル デザイン ビューと分離コード ビューを同時に表示するハイブリッド ビューも用意されています。 このビューは、分割ビューと呼ばれます。
図 5: Web ページ デザイナーの分割ビュー
ビルド ツールおよびデバッグ ツール
Visual Studio には、信頼性の高い一連のビルド ツールおよびデバッグ ツールが用意されています。 ビルド構成を使用すると、ビルドするコンポーネントの選択、ビルドしないコンポーネントの除外、および選択したプロジェクトをビルドするプラットフォームとその手順の指定を実行できます。 プロジェクトだけでなくソリューションのビルド構成も使用できます。 詳細については、「方法 : 構成を作成および編集する」および「アプリケーション開発時のビルド」を参照してください。
ビルド時は、デバッグ処理から開始されます。 アプリケーションをビルドすると、コンパイル時のエラーを検出できます。 コンパイル エラーには、無効な構文、キーワードのスペルミス、型の不一致などがあります。 [出力] ウィンドウには、この種類のエラーが表示されます。
図 6 : ビルド情報が表示された出力ウィンドウ
アプリケーションをビルドしたら、実行時に検出される論理エラーやセマンティック エラーなどの問題を検出して修正するために、デバッガーを使用できます。 中断モードでは、[変数] ウィンドウや[メモリ] ウィンドウなどのツールを使用し、ローカル変数やその他の関連データを調べることができます。
図 7 : 中断モードの Visual Basic フォーム
図 8 : デバッグ ツール ウィンドウ
[エラー一覧] ウィンドウには、デバッグ関連のエラー、警告、その他のメッセージが表示されます。
詳細については、「デバッガーのロードマップ」を参照してください。
配置ツール
Visual Studio には、ClickOnce と Windows インストーラーという 2 つの異なる配置方法が用意されています。 ClickOnce による配置では、開発者がアプリケーションを一元的な場所に発行し、ユーザーはその場所からアプリケーションをインストールまたは実行します。 Windows インストーラーによる配置では、開発者がアプリケーションを setup.exe ファイルにパッケージ化し、そのファイルをユーザーに配布します。ユーザーは、setup.exe ファイルを使用してアプリケーションをインストールします。 詳細な比較については、「配置ストラテジの選択」を参照してください。
ClickOnce では、発行ウィザードを使用してアプリケーションをすばやく配置できます。
図 9 : 発行ウィザード
詳細については、「方法: 発行ウィザードを使用して ClickOnce アプリケーションを発行する」を参照してください。
Windows インストーラーによる配置では、柔軟性の高いアプリケーション配置を実行できます。 カスタム動作エディターやユーザー インターフェイス エディターなどの各種エディターを使用すると、配置のニーズを満たすように、Windows インストーラーをカスタマイズできます。 基本セットアップ ファイルを作成するには、ファイル システム エディターを使用して、配置する項目を指定します。
図 10: ファイル システム エディター
詳細については、「Windows インストーラ配置のタスク」および「配置エディター」を参照してください。
製品のドキュメント
[ヘルプ] メニューの [Visual Studio ドキュメント] をクリックする他に、IDE で F1 キーを押すと、ヘルプにアクセスできます。 ヘルプ ドキュメントは、Web ブラウザーに表示されます。 ローカルにインストールされたヘルプを使用することも、MSDN オンラインなどのヘルプのオンライン ソースを使用することもできます。
図 11: ブラウザー ウィンドウに表示されたヘルプ